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3. 「総務は遅れている ― 総務の人財を育てるFOSCの活動から」
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経営改革に必要なファシリティ・マネジメント
3. 「総務は遅れている ― 総務の人財を育てるFOSCの活動から」
FOSCという団体をご存知でしょうか?
Facility & Office Service Consortium (ファシリティ/オフィス サービス コンソーシアム)という、施設管理やオフィスで働く人が快適に過ごせる諸々の環境をどう整備していくかを考える団体です。まさに、日本の会社なら総務の仕事全般にかかわる分野についてを「人を育てる」という観点からスタートしています。今回はこの団体のユニークな活動を少し紹介したいと思います。
■ ヨーロッパにおけるファシリティマネジメントは"ホスピタリティ"
ファシリティマネジメントを翻訳すると「施設管理」となることから、とかく施設の維持や保守やオフィスの形などハードのイメージがありますが、ヨーロッパのファシリティマネジメントは「施設を使う人が生産的に働くために必要なサービスを提供する」という定義です。ですから、オランダのサキシフォン大学のFM学科はホスピタリティ学部にあり、ホテル学科と旅行学科と並んで位置づけられています。いずれもホスピタリティあふれるサービスを提供することがお客様の満足を得ると考えられているのです。オフィスで働く社員は"ゲスト"なのです。
FOSCの活動も、この視点から考えようということで始められました。
当初は、後半でご紹介する「スキルディクショナリ」の普及活動が主体でしたが、昨年からは、オランダのサキシフォン大学と提携し、日本企業の総務人材に特化した育成プログラムを始めました。これはユニークなシステムで、まず一週間ほどオランダに行き、現地のFMの実際をいくつかの企業で見せてもらい、サキシフォン大学のファシリティマネジメント学科でFMに必要な分析や計画立案などの論理や手法を学んで、日本に帰ってからの課題を決め、オランダで学んだことをベースに、実際の改善活動、新しい仕組み作りなど課題を消化し、半年後に再びオランダに行き、発表し、評価のうえ、修了となるものです。既に数人の修了者が出ています。参加者からは「ファシリティマネジメントの仕事が立派な職業として社会に認識されている」、「サービスに徹する姿勢がきちんとしていて、自分の仕事に誇りを持っている」、「学生に年間5ヶ月間の企業でのインターンシップが義務付けられていて、実際の仕事の中で問題点の分析や改善提案を配属先に行い、企業も学生の意見を真摯に評価し、もっともと思われることは積極的に取り入れている。これらの経験を積んで卒業するので、即戦力になっている」などと、好評でした。このプログラムは、今年も実施される予定です。
■ 日本の総務は閉鎖的? ミドルマネジャーが変われば総務が変わる
日本の会社には、「会社藩」と呼んでもよいような、閉鎖的な風土が見られることがあり、総務部門の部長や課長同士のいろいろな企業との交流もほとんどありません。総務分野のベンチマークも進まず、総務のさまざまな仕事の体系化も進まず、生産性の低い部門のひとつといっても過言ではないのではないでしょうか。こんな風土を打破しようと、FOSCでは、会員外にも広く呼びかけて、この7月から「FMミドルマネジメント講座」を開催することになっています。
「総務分野の人材育成の鍵」が「中間マネジメント」にあると考え、この人たちに的を絞った活動を会員向けに発足以来やってきました。その経験から、FM企業の経営に携わったことのある3人の講師が、現役世代の総務マネージャーに業務改革のヒント、仕事の進め方やモチベーション・パッションなどをこれまでの自分の経験を熱く語ろうというものです。普通の研修講座と色合いがちがっています。
講師として、ソニーファシリティマネジメント(株)の前社長の小山義朗さん、富士フイルムビジネスエキスパート株式会社専務取締役だった齋藤 弘幸さんや、FM業界ではFM伝道師とも呼ばれるカリスマ的なカックス・クレイグさんの3人が、それぞれの得意分野を分担して講義します。講義の後は毎回、懇親会を開き、講師との交流もさることながら、参加者同士の社外のネットワークを広げることも狙っています。総務部門で仕事を確立したいと志をもつ方は参加する価値があると思います。
■ 総務の仕事にも専門的な知識とサービスマインドが求められる時代
総務の仕事というと、管理部門の何でも屋というイメージがあり、専門職と認められない分野です。しかし、昨今の働き方の多様化や顧客満足指向の環境から、総務の仕事にも専門的な知識とサービスマインドが強く求められるようになっています。企業の人員削減の影響もあり、アウトソーシングが進んでいる仕事でもあります。
環境維持、危機管理、施設戦略、株主総会など経営に近い分野から、受付、清掃、配送、慶弔など社員サービスまで幅広い分野です。これらの仕事は、個人の能力や経験に頼る「個人ノウハウ」が主流となっているのが現状です。FOSCでは、これらの個人ノウハウを「体系化」することによって、自分の仕事レベルを見極め、それを高めていくために何を習得するべきかを明示したスキルディクショナリ・システムを開発・提唱しています。
このシステムでは、受付や危機管理など36種類の仕事それぞれに5段階のレベルを設定し、各レベルでは「どの程度の仕事ができればこのレベル」と明確にし、上のレベルに行くためには「何をどう伸ばしていけばよいか」をわかるようにしました。これによって、それぞれの仕事に従事している人は、自分の仕事のやるべきことと目標がはっきりし、プロフェッショナル化が図れます。
日頃、ジェネラリストのイメージが強い総務職は体系化やスキルアップとはあまり関係ないとお思いのみなさんも、一度この仕組みを利用して自分の持つ総務業務のノウハウを棚卸ししてみてはいかがでしょうか。
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