コラム

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経営改革に必要なファシリティ・マネジメント
4. 日本の未来は"新しい働き方"にある
~多様性を受け入れた働き方、多様性を活かせるオフィスファシリティ

この6月に信州の奥志賀高原で「倉重英樹塾」が開催されました。倉重英樹さんは4月のこのコラムで紹介した、シグマクシスという経営コンサルティングの社長をされている方で、このワークショップは今年で2回目、昨年の5割増しの80人もの人が、東京や長野県内から集まりました。今年は「日本の未来は"新しい働き方"にある」と題し、ワークスタイルを主題に夜遅くまで談論風発が続きました。このワークショップのサマリーを私の考えも入れてまとめてみたいと思います。


企業の新しいチャレンジ
「さまざまな考えや生き方を尊重した働き方」へ
これまでの日本の企業は「効率性・生産性」を追求することが、繁栄の基礎と考え、貪欲なまでも進化させ、日本経済を豊かにしてきました。電機や自動車がその代表例です。仕事の標準や作業工程を明確にした生産システムは「品質の良い製品を安く」市場に送り出しました。この仕組みは工場型のモノツクリには効果的であり、今後もこの分野では、日本方式が続くと思われます。ただ問題なのは、今のような不況になると、人はコストカットの対象となり、おおぜいが失職するということです。応用の利かない働き手を育ててきたからです。


「効率性・生産性」追求のシステムを研究所や間接部門など工場以外の分野にも適用してきたことは間違いで、ホワイトカラーの生産性が低い理由となっています。例えばカイゼン活動でも開発部門なども無理に巻き込もうとした時代もありました。この分野には「創造性が生産性に結びつくシステム」を考えなければなりません。創造性というと、何か新しい発想をしなければならないと思われがちですが、「いろいろな考えや生き方を尊重する」と言った方が適切かもしれません。つまり「多様性(ダイバーシティ)」が重要なのです。多種多様な人が多種多様なアイデアを出し、それを応用して製品やシステムを作り上げていきます。


ファシリティマネジメントは「日本の未来」に貢献できるか?
これは働き方にも通じることで、会社のルールも最低限にして性善説をベースにした「働く仕組み」の中で、働く人が伸び伸びと育っていき、多くの「自立・自律できる人財」を輩出していくかがこれからの企業の進むべき道でしょう。会社にしばられず、他で活躍できそうと思ったら、飛び出せるような企業こそ、真に伸びていくと思います。その一例はリクルートでしょう。ここから巣立った人財は、いろいろな分野で事業を起こしたり、経営者として脚光を浴びています。そのような人財を手離したリクルート本体も、新規事業を積極的に展開し成功しています。まさに人はどこにでも通用する資産となります。


そして、「働き方を変える」には、企業そのものがこれまでの仕組みや環境をガラガラポンにする勇気を持たなければなりません。人事制度や就業制度だけでなく、オフィスの環境も変える必要があるのです。


「創造性がかきたてられるようなワークプレイスを提供する」
「チームワークが推進、進化するようなオフィス環境」
「いつでもどこでも仕事ガできるワークプレイス」
など、
ファシリティマネジメントからも、働き方を変え、新しい日本を作り出すことに貢献できるのです。
「会社人間」を卒業し、「自立・自律した人間へ」
倉重塾のもうひとつの特徴は、1時間以上もとってある質疑応答の時間も足りなくなるほどの質問、意見が飛び交うことです。この質疑応答のまとめ的な内容を記します。


仕事だけでなくライフをもっと大切にし、会社外や地域、家族とのつながりの時間を増やし、多様な考え、生き方を吸収しながら、自分の生涯の仕事や生き方を見つけていくことがこれからはさらに重要になってきます。それは「個の確立」であり、そのためには「自立・自律」が必要です。「会社人間卒業」し、会社の枠にとらわれない生き方をすべきでしょう。しかし、それは会社を否定することではありません。


会社ほど、ひとりでは経験できない多種多様な機会を与えてくれる所はありません。自立学習の場所と考え、ここで修練することは必要です。結果として、「会社を離れるのも良し、会社でがんばるのも良し」。いずれの場合も「自立・自律した自分が納得できる生き方」をすることが重要です。

小田 毘古
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