コラム

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初ての退職給付会計(6)

今回は、税務上の取り扱いについてご説明したいと思います。
税務上、退職給付に関して損金算入されるのは、下記のようになります。

・退職一時金制度⇒実際に退職者へ一時金を支払った時の実際額
・企業年金制度⇒掛金拠出時点の掛金

これは、これまでご説明をしてきました「退職給付費用」計上の時点及び金額が異なることになります。このずれに対して、「税効果会計」を適用することになります。

税効果会計とは、会計上の収益・費用と税務上の益金・損金による差異を調整するものです。
繰延税金資産とは「税金の前払い」であり、繰延税金負債は「税金の後払い」を意味します。

(税金計算)税率40%
益金500 損金200  課税所得300(500-200) 法人税120(300×40%)

(企業会計)
収益500 費用400  税前利益100(500-400) あるべき法人税(仮定)40(100×40%)

<損益計算書(税効果会計適用前)>
収益500 費用400 税前利益100 法人税120 
企業会計上税前利益は100であり、これに対応したあるべき法人税は40です。そのため、企業会計上あるべき法人税40の数値となるように調整をかけます。すなわち、税前利益と法人税を期間的に対応させるのが税効果会計です。

(借方)繰延税金資産(B/S) 80  (貸方)法人税等調整額(P/L) 80  (120-40)

上記の例を見ますと、企業会計上(税額40と仮定)より実際の税務(実際の税額120)の方が多く税金を支払っています。企業会計上は、「税金を前払いした」と考えて、「繰延税金資産」を計上します。

<損益計算書(税効果適用後>
収益500 費用400 税前利益100 法人税120 法人税等調整額80 税引き後利益60(100-120+80)
このケースの場合(繰延税金資産計上)、法人税等調整額は貸方であり、「収益」である事にご留意下さい。

今回のケースは、課税所得>税前利益(企業会計上の利益)でした。
課税所得<税前利益(企業会計上の利益)の場合は、「繰延税金負債」を計上します。
(借方)法人税等調整額(P/L) XXX (貸方)繰延税金負債(B/S) XXXX

<Key word>
税効果会計
企業会計上の収益または費用と課税所得計算上の益金または損金の認識時点の相違等により、企業会計上の資産または負債の額と課税所得計算上の資産または負債の額に相違がある場合において、それらの相違に係る法人税等の額を適切に期間配分し、税引前当期純利益と税金費用(法人税等に関する費用)を期間的に対応させる

繰延税金資産   
・課税所得>税前利益(企業会計上の利益)
・将来の法人税等の額を減少させる差異(将来減算一時差異)

繰延税金負債
・課税所得<税前利益(企業会計上の利益)
・将来の法人税等の額を増加させる差異(将来加算一時差異)

西村 光子
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