コラム

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初めての退職給付会計(7)

今回は、この「退職給付会計」連載の最終回にあたります。

最終回は、IFRSの退職給付会計につきまして、簡単にご説明をしたいと思います。なお、退職給付会計基準の変更につきましては、日本基準・IFRSの両方の公開草案が2010年前後に出ていますが、まだ、確定していないため、現行の基準でご説明いたします。

<日本基準とIFRSの違い>

日本基準とIFRSの大きな違いは、下記「数理計算上の差異」と「過去勤務費用」になりますが、「簡便法」を適用している企業にとっては関係がないことになります。「数理計算上の差異」「過去勤務費用」につきましては、初めての退職給付会計(5)をご参照下さい。

(1)数理計算上の際IFRSでは、コリドー・アプローチ(回廊アプローチ)をとっています。
これは、未認識数理計算上の差異のうち、ある一定の範囲までは認識せず、一定の範囲を超えた部分だけを費用処理するものです。
IFRSでは基礎率(割引率・期待運用収益率)の変更があった場合、即時にそれを反映させることになります。そうしますと、毎期、数理計算上の差異が大きく変わる可能性があるため、ある一定の範囲を超えた分だけを認識するわけです。
具体的には、期首の未認識数理計算上の差異のうち、"期首の退職給付債務と期首の年金資産のいずれか大きい方"の10%を超える部分を費用処理とします。

それに対して、日本基準では、重要性基準をとっています。つまり、退職給付会計に重要な影響を与えないならば、見直さないとするものです。

IFRSの数理計算上の差異の処理方法につきましては、上記以外の方法もあります。日本基準はコリドー・アプローチという考え方を採用していないため、この言葉だけ覚えておくとよいでしょう。

(2)過去勤務費用
IFRSでは、受給権が確定している従業員に係る過去勤務費用は、発生時に一括して費用処理し、受給権が確定していない従業員に係る過去勤務費用については、受給権が確定するまでの平均期間により、定額法によって処理します。

西村 光子
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