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第2回:ネットカフェと風俗営業(前半)

2012年04月23日

 ここ数年でインターネットカフェ業界の規模は飛躍的に拡大してきましたが、その一方で様々の社会現象や社会問題を引き起こしてきた一面もあります。

 尖閣事件の際には、海上保安庁の秘密情報がネットカフェを利用して漏洩されたとの報道がありましたし、様々な反社会的なネット上の書き込みや情報漏洩、児童買春の情報連絡等がネットカフェを利用して行われるケースが問題視されるようにもなってきました。

 インターネットが一般に普及した結果として、喫茶店でのネット利用は必然だったでしょう。
ネットカフェ営業は時代のニーズに応える中で、利用者のプライバシーや安全性への配慮を進めてきましたが、その一方では、狭い個室、寝泊まりにも利用できる便利な設備が定着し、実質的には簡易なホテルに近い利用方法が生まれました。
 
 このように、ネットカフェ営業は社会の変化とニーズに応じて進化を遂げて来たわけですが、今年(平成23年)になって、警察が風営法による指導や取締りを急激に強化しています。
ネットカフェにどうして風営法が関わるのか。それは、ネットカフェには風俗営業に該当しかねない要素があるからです。そのポイントは、個室の見通しと床面積の問題です。

 風俗営業は1号から8号までの8種類の種別に分かれており、その中の「6号」に該当する営業として「区画席飲食店」という風俗営業があります。

喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの

 これが区画席飲食店の定義ですが、ネットカフェに「他から見通すことが困難」な客席があり、その広さが5?以下である場合には、風俗営業の一種である「区画席飲食店」に該当することとなり、営業を開始する前にあらかじめ公安委員会から営業許可を受けていなければなりません。

 もし許可を受けずに営業していれば、2年以下の懲役または200万円以下の罰金(併科あり)に問われます。風俗営業の無許可営業は、実際のところ、無警告で逮捕され罰金に処せられる可能性が高い違反行為です。つまり、経営者が普通の飲食店のつもりでも、大きなリスクと隣り合わせの状態となっているのがネットカフェ営業の現状なのです。

日野 孝次朗
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