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第4回:普通の飲食店にもおよぶ風営法
〜前編 従業員の取り扱いについて

2012年05月25日

 風俗営業に関係しない飲食店にも風営法は規制を及ぼしています。
 以下は風営法が一般の飲食店に課している遵守事項です。

その1 喫茶店等で、午後10時以降、18歳未満の者に接客業務をさせてはいけない。(風営法第32条第3項)

 労働基準法第61条により午後10時から翌日5時までの時間における18歳未満の者の使用が原則として禁止されていますので、この規制について風営法の問題として注意する必要はあまりありませんが、労基署ではなく警察行政が直接行政指導や処分を行う法的根拠となりえるという点では意味があります。

 むしろ問題であるのは、午後10時以降に営業している全ての飲食店については、従業者を雇用する際に、その年齢や住所氏名など、風営法が定める一定の事項を記載された従業者名簿を備え付ける義務があり、従業員が退職した後も3年間に渡って保存する義務もあることです。(風営法第36条)

 労働基準法でも労働者名簿の備え付けが義務づけられてはいますが、記載すべき事項に若干の相違があるので、通常の労働者名簿だけでは代用できません。

 さらには、午後10時以降の時間帯に酒類を提供する飲食店については、単に名簿を備え付けるだけでなく、名簿の記載内容が事実であることを一定の証明書類で確認し、その裏付けとなる証明書類等の写しを名簿とともに保管しなければなりません。(風営法第36条の2)

 このような義務がある理由は、冒頭の<従業員の接客業務の規制>に関して、午後10以降に接客させてよい従業員なのかどうかということを、従業員採用の際に確認させるためです。

 言い換えれば、「従業員が18歳未満であったことを知りませんでした。」という言い訳をさせないための規定でもあります。

 まとめますと、夜10時以降に営業している全ての飲食店には、風営法が定める「従業者名簿」の備え付け義務があり、喫茶店など一定の飲食店では、夜10以降に18歳未満の従業者に接客業務をさせてしまうと風営法違反となります。

 喫茶店や居酒屋だけでなく、ファーストフード店、ラーメン店、レストランなども従業者名簿の備え付け義務の対象となりますし、午後10以降に酒類を提供すれば、年齢確認義務も生じるのです。

 さて実際のところ、夜10時以降に営業している喫茶店を眺めてみたらどうでしょう。大手の喫茶店チェーンでも、この点が守られているものでしょうか。しかし、これも風営法違反であり、理論上は犯罪です。1年以下の懲役又は百万円以下の罰金となります。(風営法第50条第1項第4号)

日野 孝次朗
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