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固定資産税(償却資産)講座
第10回:固定資産台帳作成が経営の根幹だった(10)

2017年10月20日

■自治体からの有形無形の受益関係

 今回は、自治体からの有形無形の受益関係、「固定資産の保有と市町村の行政サービスとの受益関係に着目して、応益原則に基づき、 資産価値に応じて所有者に課する財産税」についてです。

 これは、『地方行政講座11 地方税2』(小林弘明・折笠竹千代・板倉敏共著/第一法規出版刊)において、次のように説明されています。
 「住宅や工場ができれば、市町村道や上下水道の整備、ゴミ、し尿処理施設や幼稚園、学校などの教育施設の充実などが必要であり、より直接的には、これらの資産を火災等の災害から守るための消防活動の充実も必要となる。また、場合によっては、工場からの公害の防止対策も講じなければならなくなる。このように、固定資産の存在それ自体が市町村の行政サービスを必要とするものであり、これらの行政サービスを享受することにより、固定資産がその効用なり収益力を継続的に発揮しているわけである。他方、見方を変えれば、都市計画事業や市町村道、上下水道などが整備されることにより、固定資産の価値が増加するという意味でも市町村の行政サービスとの受益関係を認めることができる」

 つまり、この事例でいえば、火災等の災害から守るための消防活動をする資産があれば、行政サービスとの受益関係を認めることができる。ということなのです。この基本の考えをベースにすると次のことも合点がいくと思います。
・固定資産税(償却資産)が、「残存価額が5%」になるのは、古い構築物のような資産のほうが火災等の災害のとき、消防活動などで、より自治体からの受益関係を得ている
・「簿外資産」は、資産として存在するので固定資産台帳に記載されないといって、自治体からの受益関係を得ていないわけではない
・不景気で生産ラインをストップしているような「遊休資産」が、災害のとき、区別して消防活動が行われるわけではない......など

 このように、固定資産税(償却資産)の申告対象資産の疑問は、この行政サービスとの受益関係という視点を加えると理解できるようになるのです。

 ここで気付いていただきたいのは、企業会計の決算のために作成する固定資産台帳は、法人税申告書を作成するための税務会計にも使用されているということ。そして、さらには、地方税法、固定資産税(償却資産)の申告ためにも、使用されているということなのです。この3番目の地方税法、固定資産税(償却資産)の申告ための使用というのが、ほとんど、経理・総務担当者には意識されることはありません。

笹目 孝夫
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