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新総務考 【その26】公共FM

2017年11月30日

■ 公共FM推進を阻害している要因

 公共FMとは、社会資本である橋梁、トンネル、港湾、上下水道、高速道路、公共建築物などの維持管理を軸に、国民の社会生活の安全安心を実現していく活動です。

 日本は、高度成長期に建設された首都高速を始め、社会資本構築物の老朽化が進行し、社会生活を脅かす事態が頻発し始めています。

 トンネルの崩落事故や橋桁の老朽化による落下事故、建築物壁面の剥離落下事故......など設備維持のための検査や修繕投資が十分でないことから発生した事故です。放置して置くことは許されないものであり、FM専門家から国や自治体に対する警鐘は鳴らし続けているようですが、財政的な問題もあり具体的な対策が十分できていない状態です。

 ある日、突然橋が崩落し多数の死傷者が出るリスク、どのように対応していけばよいのでしょうか。

 個人的な見解ではありますが、一番大きな問題は、公会計と単年度予算制度にあると思います。つまり、現金主義会計並びに単式簿記方式制度により、社会資本の資産価値把握が困難であること。また、減価償却費の発想がない結果、資産価値の減価に見合う「維持費」や経年劣化による「更新投資」を適正に予算化することが難しく、財政逼迫が影響し設備や構築物の修繕・資本投資ができないこと。

 このほか、民間企業では、当たり前の長期的視点に立ったマネジメントが、公共では単年度予算制度の制約もあり、できていない点が公共FM推進を阻害していると思われます。

 まずは、制度改革からではないでしょうか。これも公共の「場」創りです。

岡田 大士郎
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