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総務の知的財産戦略 第16回

2018年02月01日

 こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 高松孝行です。

 今回は、特許の年金管理について解説いたします。

■年金管理の重要性

 国内外問わず、特許権取得後もその特許を維持するには、年金(登録料)を支払う必要があります。年金の額は国によって異なりますが、一般的には登録期間が長くなるにつれて高額になります。大企業になると毎年、億単位の特許年金を払っている場合もあります。

 そこで、各特許が持つ価値を評価して、維持する必要があるか、または維持しないかを判断することが重要になります。

 なお、年金を支払わないと、一定期間経過後、その特許は"消滅"してしまうことになりますので、年金を支払うことができる期間を管理することも非常に重要です。

 そのため、特許事務所に年金管理を依頼した場合であっても、念のために自社でも年金支払期限の管理をしておいた方がよいでしょう。一度消滅した特許を復活させることは、ほぼ"不可能"だからです。

■日本における年金額について

 たとえば、日本における特許の年金の額は以下の通りです。

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※請求項の数によって年金額が変わるため、請求項が1つの場合で計算しています。また、1年-3年分の登録料については、登録時に支払うため表示していません。


 年金額が段階的に上がっていることが、このグラフからわかります。特に、10年目以降から年金額が高額になるので、やみくもに特許を維持すると多額の費用がかかってしまうことになります(グラフは請求項の数が1つの場合ですので、請求項の数が多くなると年金額も高額になります)。

 このことからも、年金管理が重要であることがおわかりになると思います。

■使用している特許の把握

 年金管理を考える際には、まず登録した特許が自社製品に使われているかを確認しておく必要があります。出願時には、自社製品に使われていたとしても、補正や製品の設計変更などにより、登録時点では特許が使われていない可能性があるからです。逆に、途中から特許が使われるようになっている可能性もあります。

 特許の権利範囲の状況や自社製品の状況の変化を把握することはたいへん難しいですが、発明者などの協力を得ながら行っていきましょう。そして、自社の状況にあった権利維持・放棄の基準を作成し、所定の時期に特許を維持するか放棄するか判断するということになります。

高松 孝行
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