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社員と組織を生かす総務の技
【その2】どうしたら"頼れる総務"に変革できるのか? 情報キャッチ力のポイント(1)社員が総務に求めるもの

2018年02月27日

 こんにちは、組織改革コンサルタントの小松路世です。
 シリーズでお届けしている「社員と組織を生かす総務の技」、第2回目は「情報キャッチ力のポイント」をお届けします。

■頼れる総務とは?

 前回、総務のミッションは「ソムリエ・コンシェルジュになること」とお伝えしました。社員や幹部が困ったときに何でも気軽に相談できて解決してくれる、そんな頼れる総務だったら社員は心強いですよね。

 では「頼れる総務」とは何かを考えていきましょう。

 「この人、プロ意識があるな」と思う総務の人を思い浮かべると、まず対応が早く、爽やかであり、接していて気持ちがよい人です。当たり前ですが、総務の役割を理解し、責任を持って仕事を完結するという自覚がある人であり、決して資格を持っているとか専門知識が豊富な人、ということではありません。

■誰のための仕事なのか、 なぜ情報キャッチ力が必要なのか

 総務にとっていちばん大事なことは、総務のいちばんのお客さまである「現場社員」が気持ちよく働ける土台を築くことです。同じ担当の「上司」や「幹部」をいちばんに考えて仕事をするわけではありません。

 それは経営側も同じことで、幹部が総務に求めているのは「現場社員がストレスなく安心して働けるよう動いてくれること」、それから「自分たちでは知り得ない/数字では出てこない社員の生の声をキャッチし、手遅れになる前に手を打つこと」を期待しています。

 なぜなら「今」会社で何が起きているか、社員が何を求めているかをいちばん知っているのは、日々社員とタイムリーにやりとりしている総務だからです。社員が会社に魅力を感じなくなると、優秀な社員が辞めていく、生産性が下がるなど、経営に大きな影響が出ます。社員は幹部や人事・経営企画にはなかなか本音をいえないでしょうし、社員満足度調査などは結果が出るまで時間がかかるので、正直に答えない人もいます。

 だから、タイムリーに情報をキャッチできる総務スタッフは幹部からも頼りにされますし、社員も困ったときに気軽に相談できる総務を求めています。社内の知り合いを増やし、情報をキャッチすることは、総務にとって大事な役割なのです。

■情報が集まる人、キャッチできる人とは

 同じ会社の総務でも、いつも社員や幹部から頼りにされている人と、そうでない人がいます。その違いは何でしょう?

 「社内人脈があり、キーパーソンを知っている」「対応が早く、すぐ解決してくれそう」などといった特徴のほかに、総務のプロは「どんなに忙しくても話し掛けやすいオーラ」を持っています。もちろん総務ならではの専門知識や課題解決策を持っていることも重要ですが、まず入り口としては「話し掛けやすい」「ちょっとした疑問を聞いてもばかにせず、気持ちよく答えてくれそう」という雰囲気がいちばん重要かもしれません。

 この総務としてのプロ意識があるかどうかで、いつも問い合わせが集中する人(=情報が集まってくる人)とそうでない人との差が出てきます。どんなに総務歴が長くて知識があっても、いつも偉そうな人や元気がない人には、社員や情報は集まってきません。いつも話し掛けやすいオーラを身にまとっておきましょう。

■しゃくし定規ではない対応がファンを生む

 社員が総務に無意識に求めているもの。それは困ったときに気軽に相談でき、心配ごとをすぐ解消してくれる駆け込み寺のような役割です。今困っているから「とりあえず総務」と駆け込んでくるので、待たされる時間が長いと緊急時には意味をなしません。

 たとえば数年前、私がとあるリゾートホテルに泊まったときのエピソードです。夜中に熱が出てきましたが風邪薬は持ってきていませんでした。買いに行こうにもいちばん近いコンビニまで車で片道10分以上といった立地、その間にもどんどん熱が上がってきます。ホテルの常備薬を譲ってくれないかフロントに電話したところ、申し訳なさそうに「常備薬はないんです」といわれました。
 しかし、すぐにスタッフの方が部屋を訪ねてきてくれました。「ホテルの常備薬ではないんですが、たまたま持っていた私物でよければ一包だけ......」と薬を届けてくれたのです。
 その方が良い印象だったので、あとで調べてみると、薬事法の関係で、本来ホテルから積極的に薬を渡すのはNG、渡せても一包のみ、ということがわかりました。薬のおかげで安心してぐっすり寝ることができ、翌朝にはすっと熱も引きました。

 こうした「困った」を「規則ですからできません」と済ませるのか、それとも状況を察し自らの責任で行動してくれるのかで、印象が180度変わります。少なくとも私はその対応のスマートさで、すっかりそのホテルのファンになりました。

 総務の仕事の中には「グレーの領域だけど明らかに社員のために行った方がいいこと」がたくさんあります。こうした相談に嫌な顔ひとつせず毎回気持ちよく対応してくれる人かどうか、社員はよく見ています。社内でファンを増やすことは、単に自分のファンが増えるだけでなく、総務全体の価値向上につながっていきます。

 次回は「どうしたら"頼れる総務"に変革できるのか? 情報キャッチ力のポイント(2)社内人脈の作り方」をお届けします。

小松 路世
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