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地域活性化に活用できる知的財産〜地理的表示〜第18回

2018年04月06日

 こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

 2016年9月からスタートしたこのコラムも今回で第18回目を迎えます。今回から次回にかけて地理的表示の総括に入りたいと思います。

■地理的表示(GI)の概要

 2015年6月1日より申請受付を開始した地理的表示保護制度ですが、現時点(2018年3月27日)で、登録数は59件となりました。うち1件は外国の産品ですが、残りの58件は、国内34道府県の産品です。

 地理的表示(GI)は「地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物・食品のうち、品質等の特性が産地と結び付いており、その結び付きを特定できるような名称」と定義されます。

 登録されると、GIマークの使用が義務付けられます。このマークが産品の品質について国がお墨付きを与えたことの証となり、商品パッケージなどに使用して高品質をアピールができます。また、前述の通り、GIは地域との結び付きがあり、伝統性も備えている産品の名称ですので、ストーリーやヒストリーを有した産品という特長があります。

 これらのことから、GI産品はブランディングによる高付加価値化や差別化がはかりやすいものだといえるのではないでしょうか。

■認証マークの役割

 2018年1月に、特許庁が「地域の名物が地域団体商標として特許庁に登録されている」ことを示す証として「地域団体商標マーク」を決定しました。chiikidantai.jpg

 「地域団体商標」は、2006年に地域活性化の一環として創設された商標制度です。これは地域で有名な商品やサービスのブランド名を商標として保護するものですが、現在まで「今治タオル」や「草津温泉」など、600件以上の地域ブランドの名称が地域団体商標として登録されています。

 しかし、実際には関係のない事業者が勝手に地域団体商標を使用するケースが後を絶たないという事態が生じており、地域団体商標として登録された商品・サービスだとわかるマークがほしいという業界関係者からの強い要望があったようです。

 制度が創設されてから10年以上経過してからのマークの創設となったわけですが、先発のGIマークに多々影響を受けたものと思われます。

 一目でわかりやすいマークの使用は、ブランディング上有効です。同じような商品やサービスがあふれ返り、差別化が難しくなっている状況では、国のお墨付きである証(マーク)の活用は意味のあることではないでしょうか。

■海外の認証マーク
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 話は変わりますが、2018年2月にドイツに出張する機会があった際、ちょうどよい機会だと思い、ドイツの代表的なスーパーマーケットの食品売場を見てきました。すると、ドイツの食品売場は、さまざまな認証マークをパッケージに付した商品であふれていました。

 EU内で生産されたすべてのオーガニック商品に提示が義務付けられている「BIOマーク」、環境配慮型の養殖業を認証する国際的な認証である「ASC認証マーク」、EUの「GIマーク」、生産を通じて環境に負荷をかける物質は使用されていないという認証である「PRO PLANETマーク」等です。

 日本でもGIマークをはじめとする、さまざまな認証マークがより身近になってくることでしょう。

 次回はGIの将来について説明をしつつ、最後のまとめに入りたいと思います。

鈴木 徳子
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