総務辞典

ファイリング

電子文書の管理方法


紙文書も電子文書も、「保存」「保管」の考え方は一緒。保管場所が事務所かサーバーか、保存場所が書庫室かサーバーまたは外部記憶装置なのか、の違いになる。

電子文書の維持管理の方法には4つのポイントがある。

1) 見読性 ― 電子文書を見るための条件が整っていること
2) 完全性 ― 保存期間中、常に元の状態で再現できること
3) 機密性 ― データが不当に改ざんさせることなく、機密情報や個人情報などが保護されていること
4) 検索性 ― 電子文書の保存量が大きくなった場合でも、内容が検索しやすい状態であること

また、電子文書を管理しているにあたり重要な、ルールと組織について見ていこう。

(1)規程類(ルール)の見直し
文書管理規程や文書保存規程は、紙の文書を前提としたもので、それがそのまま電子文書にも適用できるとは限りません。そのため、電子文書を管理する際は、文書管理規程類全般を見直し、実態に即したものに変えていく必要がある。従来の文書管理規程を書き換えるだけでなく、新たに電子文書保存規程や利用規程、さらには廃棄規程なども付加することが考えられます。

(2)機密区分の設定
企業が保有する情報は大きく4区分 ― 「公開」「社外秘」「部外秘」「極秘」に分類されます。基本的に、公開している情報以外はすべて「社外秘」であるという認識が必要です。この機密区分に応じて、コンピュータ・システムのアクセス権限設定を行おう。ID番号とパスワードで設定するのが一般的だが、最近ではこれらに加えて指紋や静脈など、身体的特徴で相手を認証するバイオメトリクス(特徴認証)の企業内への展開も活発になっている。

(3)バックアップの確保
バックアップデータの確保については、データそのもののバックアップと、システム全体のバックアップという2つの意味がある。データのバックアップは、電子記録媒体にデータを移管しておき、施錠できる保管庫などで管理しよう。システムのバックアップは、ハードウエアやソフトウエアのバージョンアップ後も確実に読めるよう担保する必要がある。保存中であまり利用しないデータであっても、毎年の動作確認はしておこう。

(4)目録管理
電子文書であっても企業が保有する経営記録には何ら変わらない。紙文書同様、文書ライフサイクル管理を行おう。電子文書の場合は、一件単位で保存年限設定などをする必要がある。

(5)管理部門の見直し
紙文書では、総務部門が文書主管部門になることが多いのではないだろうか。しかし、コンピュータが正常に稼働することが要件の電子文書管理については、総務部門に加え、システムの開発設計や運用保守を担当する情報システム部門の協力が不可欠となるので、総務部門と情報システム部門の共管が望ましい。加えて、文書保管、保存の環境変化に社員全員が慣れる必要がある。従来の慣行や意識のままでは、セキュリティーなどの運用面からも対応し切れない部分が出てくることが考えられるので、社員に対する教育や啓発は、引き続き行う必要があるだろう。


『月刊総務』2008年1月号 総務のマニュアル「文書の保管・保存&廃棄のルール」
(執筆:山野辺 泉(株式会社エフエム・ソリューションFMコンサルタント))より再編さん

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