オフィスの引越:交通手段変更

最終更新日:2010年03月01日

オフィスの引越:目次

本社や事業所を移転した場合の通勤交通手段について、都心で移転し、通勤手段に鉄道が使用できる場合やバスが頻繁に運行している場合、社員のほとんどが敷地内の駐車場を使用できる場合は問題が無い。しかし、鉄道の本数が少ない場合や公共バスのルートが遠い、十分な駐車場が確保できない場合は、通勤手段の確保を考える必要がある。その場合、自社で送迎バスを運行することを検討する。自社でのバス送迎としては、完全外部委託方式、運行管理外部委託方式、完全自社運用方式の三つが考えられる。完全外部委託方式(バスの運行から管理を全てバス会社に委託する方式)は費用面でかなり割高になるので、ここではその他の二つの方法について記す。

●外部委託方式

運行管理を外部委託する場合とは、車両の保有は自社で、保守、運行管理を委託会社が行うことである。メリットとしては、担当運転手に万が一があっても、スペア運転手の派遣により必ず運行が保証されるということ。搭乗する自社社員は運転手にとってお客様になり、常に緊張感のある運転になるし、委託先の保険により、搭乗者(自社社員)は無制限の対人保険が適用される。事故時は委託先が前面に立って事故処理に当り、委託元の社名を出さずに処理が可能。また、運行委託料にある程度の修理費用が含まれているので、定期点検以外の費用はその範囲内で収まる。デメリットとしては、委託ドライバーにローテーションがあり、突発的な送迎はできない、但し事前に依頼しておくことにより、スポットでの運行は可能。コストは、車両購入費もしくは、車両リース料(メンテナンスは委託料に含まれるので、ファイナンスリースで契約)と運行管理請負料がかかる。

●自社運行方式

完全自社運用方式の場合、車両の運行や保有、保守は自社で行う。メリットは、雇用形態にもよるがいつでも送迎が可能なこと。デメリットは、万が一を考えて常時2名の運転手を自社内で雇用しておかなければならないし、道路交通法上、乗車定員が11名以上のバスを使用する場合は整備士の資格を保有する整備管理者が必要。事故対応は全て自社で処理しなければならず、自社社員を自社の保険でカバーすることになるので、任意保険は搭乗者保険の適用しかされない。コストは、車両メンテナンスリース料と運転手の人件費がかかる。コスト的には完全自社運用の方が安価ではあるが、運転手の確保や労務管理、車両の保守の手間を考慮すると、運行管理外部委託方式の方が確実。その他、両者に共通する運用上の問題点として、自社バスを導入した場合、万が一バスが遅れて遅刻してしまった場合の出勤時間の処理、通勤交通費の処理も考えておく必要がある。

(執筆:『月刊総務』)

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