オフィスレイアウトの変更:ゾーニング基準

最終更新日:2010年04月13日

オフィスレイアウトの変更:目次

ゾーニング基準とは、オフィスを機能空間ごとにエリア分けするための基準である。基準を定める意図は、明確な理由のもとに、それぞれのスペースをオフィス内に配置していくことである。基準を設定せず無秩序に、執務スペースや共有スペース、収納スペースや通路スペースを混然と配置したレイアウトでは、いざ人員増や組織変更が場合、オフィス全体に渡るレイ変をしなければならなくなり、非常に手間がかかる。明確に目的別にゾーニングしておけば、人員の増加には執務ゾーンのレイ変のみで対応できるし、共有スペースの変更の際は、そのスペースだけ変更するなど柔軟に対応できるし、各個人が勝手に変更することも防げる。また、この基準を導入することにより、日常の通路、緊急時の避難通路を充分に確保することが可能であるし、収納場所を明確にすることにより、書類のライフサイクルを確立することや、整然とした統一感のあるオフィスづくりが可能になる。

●収納スペース

収納スペースとは、収納什器、キャビネットを設置するスペースのこと。基本的には、安全面、耐震対策を重視することであり、高さ1200mmを超えるキャビネットを設置する場合は、壁を背にして設置し、壁に固定することが必要。よって、壁側に収納スペースをゾーニングすることとなる。通路スペースとの関係では、キャビネット等が倒れた場合は避難が困難になるので、メイン通路と平行してキャビネットを設置するのは好ましくない。壁設置ではなくフロア内(執務空間に隣接する場合)設置の場合は、高さを1200mm以下に押さえ、最低4つを左右背合わせで連結して設置すること。

●共用スペース

共用スペースとは、各種サービス、ミーティングテーブルやコピー、FAXが利用できるスペースのことである。コピーの音やミーティングの声を考慮して、執務スペースと距離を取る、或いは周囲をローパーテーションで囲む、また、出来る限りどの部署からも等距離に設置することがポイントである。収納スペース側にゾーニングし、執務スペースとの間に通路スペースを入れると良い。よって、収納スペース、通路スペース、共有スペースは、ほぼ隣接して設定することとなる。

●通路スペース

通路スペースとは、人の動線のこと。まず、出入口に直結する主要通路スペース、つまり出入り口に向かってそのまま歩いていけば曲がらずに出入り口に到達する通路のことで、曲がり角を極力作らずに幅を1200mm以上確保する。この主要通路スペースから執務スペース内へサブ通路が伸びるが、この通路は基本的に主要通路と直角に交わる状態でゾーニングする。サブ通路は600mm以上確保する。人の動線を明確にし、どの席からも容易にメイン通路まで行けるようにする。

●執務スペース

執務スペースとは、デスクを設置し執務を行うスペースのこと。窓側からゾーニングしていく。ポイントとしては、どの位置からでも出入り口(特に消防法との関連で、非常誘導等がどの位置からも見えること)が見えるよう背の高い什器は設置しないこと。できれば、直線的なレイアウトで構成した方がスペースを有効に活用できる。このスペース内にデスクや椅子を設置することになる。窓側から、執務、通路、共有、収納スペースとしてゾーニングするのが一般的である。

(執筆:『月刊総務』)

ゾーニング基準に関連する記事(総務・人事・広報・法務・イベント情報)

特別企画、サービス