総務辞典

企業年金

厚生年金基金

●代行部分
基金が国に代わって給付する部分をいう。それは老齢厚生年金の報酬比例部分のうち、物価スライド分と再評価部分を除いた部分である。なお、代行部分の保険料は免除保険料と呼ばれているが、厚生年金基金が国に代わって支給する部分なので、国に納めることを免除されており、免除保険料は料率で標準報酬月額の2.4-5.0%の27段階となっている。また、厚生年金基金の財政が近年の運用利回り低下により苦しくなっており、代行部分を返上したいという企業が多数存在している。


●プラスアルファ部分
代行部分に上乗せされた部分と企業独自の設計で上乗せされた加算部分を合計した部分をいい、厚生年金基金から給付され、この部分は代行部分より50%以上の給付が必要となる。


●設立形
設立形態には以下のパターンがある。
(1) 単独型とは、1つの企業が単独で厚生年金基金を設立する形態をいい、1,000人以上の加入員が必要。
(2) 連合型とは、主力企業を中心として資本や人的なつながりのある複数の企業が集まって、共同で厚生年金基金を設立する形態をいい、原則1,000人以上(主力企業が参加しない場合は5,000人以上)の加入員が必要。
(3) 総合型とは、同種同業の複数の企業が集まって、共同で厚生年金基金を設立する形態をいい、5,000人以上の加入員が必要。


●厚生年金基金連合会
厚生年金保険法に基づき、昭和42年に全国の厚生年金基金が共同で設立した特別法人。主な業務としては、基金加入者が短期間で資格を喪失した場合の中途脱退者や、倒産等で解散した厚生年金基金加入員の年金資産を引き継ぐことを行っている。また、厚生年金基金連合会はこのような加入者が60歳になった時、厚生年金基金の規約に基づき年金を支給するとともに、複数の基金に加入した者の通算センターとしての役割も持っている。平成17年10月1日から「企業年金連合会」と名称を改め現在に至っている。


●過去勤務債務
既存の企業が厚生年金基金または適格退職年金へ新たに加入する場合は、様々な年齢の加入者がいることが一般的である。したがって、厚生年金基金・適格退職年金加入前の一定期間を年金(一時金)受給資格期間に含めると、どうしても積立不足が生じてしまう。このことを過去勤務債務という。過去勤務債務は数年間にわたり償却していかなければならない。


●給付
原則として老齢に関して終身の老齢年金を給付するが、例外的に中途退職の場合は脱退一時金を受給することができる。この他、規約により死亡または障害に関し、年金または一時金として遺族給付・障害給付がある厚生年金基金もある。


●税制上の取扱
まず、掛金の拠出時における事業主負担分は全額損金算入、加入者負担分は全額社会保険料控除となる。次に、運用時における積立金(年金資産)は代行部分の3.23倍まで非課税で、それを超えれば1.173%の特別法人税が課税される。ただ、特別法人税は現在凍結中である。最後に、給付時において年金で受給する場合は雑所得で公的年金等控除を適用することができ、一時金で受給する場合は退職所得となる。


(執筆:有限会社人事・労務  代表 矢萩 大輔

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