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あなたは「リターンを最大化したい人」だろうか、それとも「リスクを最小化したい人」だろうか。
一瞬、考え込んでしまうかもしれないが、答えを焦らず、まずはじっくりとよく考えてみてほしい。
答えに迷ってしまった人、もしくはどちらも自分に当てはまると思った人に、1つヒントをお伝えしたい。
上の2つのうち、自分はどちらをより優先しているだろうか。より自分らしい選択はどちらだと思うだろうか。
「リターンを最大化したい」と思う人は一般に、野心家であり、新しいモノ好きであり、熱しやすく冷めやすい人も多い。常に生産性と効率を改善することに興味があり、向上心も強い。一方、機が熟する前に軽率な行動や判断をする傾向もあり、大きな失敗や同じ失敗を繰り返しがちであるから注意が必要である。
一方、「リスクを最小化したい」と思う人は、何事にも慎重であるが、一方で世の中の流行の影響を受けやすい人である。つまり、無意識のうちに自分なりの仮説を立て効果測定もしている。要はどんなことでも石橋をたたくように検証することを好む。
その反面、影響力のある人や、大勢の意見などに追随的な行動をとることも多い。
たとえば、ベストセラーだからつい買ってしまった、行列ができている店だから思わず並んでしまったというような行動が目立つ。
社会学の世界では、「リスクを最小化したい」タイプのグループをアーリーマジョリティ(人に相談して追随的な行動をとる人)と呼ぶそうで、調査によると購買層の全体の3分の1がこのクラスに当てはまるらしい。なお、アーリー(early:早期)マジョリティというくらいだから、レイト(late:後期)マジョリティーというグループもあるそうだが、これも調査をしてみると同じくらいの割合の人が当てはまるそうだ。
このグループの特徴は、世の中に氾濫する情報についてかなりうたぐり深く、人に相談したくらいでは追随的な行動に出ない。その一方、複数の人、もしくは大手メディアや有名人が推薦するようになると腰を上げるらしい。
要は「みんなも使っている」ということが、決断をするための重要な動機になるというわけだ。日本人らしいといえば、確かに日本人らしいではないだろうか。
さて話をリターンとリスクの話にもどそう。
実際、最初の問いであった、あなたは「リターンを最大化したい人」か、それとも「リスクを最小化したい人」か、という話だが、実際は、自分は「リターンを最大化したいし、リスクも最小化したい人」であるという結論にいたる人も多い。ただし、よく人を観察していると、どちらをより優先するかで、大きく人は2つに分かれるものである。
大事なことは、自分が本質的にどちらよりのタイプであるか、つまりどちらの考え方を快適に感じるかということを、無理せず自己認識すべきなのだ。正しい自己認識を持っているかどうか、それは人生のあらゆる場面で試されている。
たとえば、「リターンを最大化したい人」にとって、成果主義を導入している会社、中途採用が盛んな会社や新規事業への挑戦を続けている会社は、魅力ある会社に映るに違いない。
様々なチャンスがあり自由にチャレンジできることが、人生に常にレバレッジ(てこの原理)をきかせたい人にはたまらないのである。
一方、「リスクを最小化したい人」にとって、会社の離職率、自己資本比率、商品のシェアや過去3年の平均昇給率などはとても重要な安心材料になる。
前例が参考にならない時代に突入したといっても、それでもやはり前例が気になるのだからしょうがない。
転職の現場で仕事をしている私の感覚でいえば、日本人はどちらかというと「リスクを最小化する」ことを好み、「リターンを最大化する」ことよりもそれを優先する人が多いため、転職をするか否かの判断を迫る際は、「リスクを最小化できる」材料を見つけて、それを提示することがもっとも効果があるようだ。
モノを購入する行動にたとえて言えば、要は「信頼」と「コストパフォーマンス」、つまり「お買い得」を好むのが日本人の特徴であり、実際街を歩いていると、そうした消費者の気持ちをくすぐるようなキャンペーンが氾濫している。
ちなみに「信頼」は、「サービス」と置き換えるともっとわかりやすいだろう。
日本人はいまでもサービスを重視する傾向が強く、これはアジアやほかの地域に行くと、たいてい日本人はサービスの悪さに不平を言いだすことからも、明らかであるといえよう。
ここまで「リターン」と「リスク」という言葉を頻繁に使ってきたが、実はこの2つの言葉はお互いに親せきのような関係にある。
そもそもリスクが少なければローリスク、リターンが多ければハイリターンというような独自の使い方をするのだが、実際はそれらを掛け合わせて、たとえば投資信託を販売する会社などは「ローリスク・ミドルリターンを狙え」というような、わかったような、わからないようなキャッチコピーで消費者を悩ませたりもするから、注意が必要だ。
つまり、現実問題として私たちが判断を誤るポイントは、このリターンとリスクの掛け合わせにあることが多いようである。「ハイリスク、ハイリターン」「ローリスク、ローリターン」が基本であり、それ以外のモノは疑ってかかるほうがいいかもしれない。
外資系に勤めることは本質的に「ハイリスク、ハイリターン」であったし、最近ではそれが「ハイリスク、ローリターン」になりかねないとして、外資離れも目立つ。
一方、「ローリスク、ハイリターン」をうたう商品は、昔も今もたいていは何か裏があり、下手をすると騙されてしまう。
好景気の時代のほうが何かとリターンとリスクという指標でものを見る人が多く、今のように不景気が長引くと、人はもっと違った第三軸を求めるようになるのではないだろうか。
それが何であるかは議論がわかれるところだろうが、ここはアーリーマジョリティやレイトマジョリティに属するのではなく、独自の視点で自らにとって人生の指針となるような第三軸を見つけようではないか。
人生はリターンとリスクに敏感でなくても、豊かで快適なものではないのだろうか。
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