月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

【総務の現場から】学生にも、会社にもメリットがある 個性重視の「ユニーク採用」を実施

2018-08-16 10:04

人と企業文化を重視し、採用にベストを尽くす

 「日本を代表するインターネット企業になる」とのビジョンの下、変化の激しいインターネット業界で成長し続けている同社。そのときどきのニーズを捉えて、さまざまな事業を展開。現在は、インターネット広告配信のアドテクノロジー事業、スマートフォンアプリ開発などのコンテンツ事業、有望なスタートアップ企業への投資を行うインベストメント事業の三つをメイン事業にしている。「事業は変わっても、変わらないのが、人と企業文化。この企業文化こそが競争力の源泉であり、重要なもの。企業文化を作っているのは人ですから、採用、育成を大切にしようとの思いが根底にあり、人事基本方針にも、"採用にベストを尽くす"と定めています」と、コーポレートカルチャー本部 採用育成部 マネージャーの松永友貴さんは話す。

 では、今の超売り手市場で、いかにして、学生にメリットを感じてもらうか。同社のことをよく知らない学生にも、おもしろそうなことをやっている会社だな、と興味を持ってもらうか。また、企業文化を大切にするからこそ、学生の本音を見極めてマッチングしていかないと、入社後の育成もうまくいかない。どうすればその人が持つ、マッチする素養を引き出せるか。そうした課題感から行き着いたのが独自の採用手法「ユニーク採用」だった。

選考方法を学生が選べる「新卒ユニーク採用」

united.jpg 2017年4月入社の新卒採用から実施している「ユニーク採用」は、学生が自分の強みや個性に合わせて選考方法を選べるというもの。コース数は今年から12種類に増加。既存コースもブラッシュアップし、これまで以上に個性あふれる学生との接点を創出している。
 たとえば、体育会系の学生向けの「体育会スカウト採用」は、同社の選考官が、実際に試合や練習を見学して選考するもの。「大切なのは技術ではなく、競技に向き合う姿勢や、いかにチームに貢献しているか、といったところ。メンバーにどんなふうに声を掛けているか。後輩をほめているか、など、ビジネスでもよくあるシーンでの素養を見極めています」。会社側にとっては、面接ではなかなか見られない素養を見極めることができ、学生にとっては自分の得意なことでアピールできる。双方ハッピーだ。
 また、「チームビルディング合宿」は、1泊2日の登山やキャンプにおいて、チームで複数の課題をクリアしていく過程が選考となる。たとえば、ある場所まではタイムアタックという課題に対して、タイム目標も自分たちで決めて、戦略を立てて進んでいく。そうした中でのリーダーシップや、課題解決能力などを見るが、リーダータイプだけを採用するわけではない。「昨年採用したのは、サポートタイプの学生でした。最初はサバイバルな環境で体力的に活躍できなかった彼女が、中間地点で、どんなにつらい状況でも声を出し続けて、チームの士気を高め続けますと宣言した。実際、みんなが『無理』というときにも、『大丈夫。がんばろう』といい続けた。成長を目の当たりにし、将来性を感じました」。合宿に参加した学生からは、「知らない自分に気付けた」「成長できた」など、好評を得ている。仮に縁がなくとも学びがあることが、学生にとってのメリットになっている。

学生は強みをアピールでき会社は素養を見極める場に

 多くの学生が選択しているコースでいうと、10分間のプレゼンで、自分が打ち込んできたことや、本当にアピールしたいことで勝負ができる「チャレンジ経験採用」や、「熱中力採用」がある。「インターネットサービスをやっている弊社にとって、インターネットが大好き、ソーシャルゲームが大好き、というのもスキルであり才能。熱中力採用では、そこをアピールしてもらい、その熱量の源泉は何だろうかと話を聞く。そこを押さえておくと、入社後、その人が熱中し、高いパフォーマンスが出せるような環境を作る際に役に立つ。活躍してもらうためのポイントを押さえておくという目的も、この採用では兼ねています」。もちろん、学業優秀だった人にそれをアピールしてもらう「成績優秀採用」もある。勉強以外の誘惑も多い学生時代に、いかにして学業に専念してきたのか。その過程を知ることで、仕事で壁に当たったときにも乗り越えるだろう素養が見えてくる。
 ユニーク採用は、今年で3期目。採用手法や選考内容などは、PDCAを回して、毎年見直している。学生のニーズ、就活の市場も変わるので、そこに適応させている。

「1日完結採用」で優秀な地方学生を採用

 新卒採用では、一般的な採用方法も用意しているが、もう一つ、力を入れているのが、地方での「1日完結採用」だ。これは、会社説明会から、筆記試験、最終面接、内定までを1日で行うもの。「3年前に東京で行ったのが最初です。これを地方でやれば、学生は、東京に来なくても選考が受けられる。時間的、費用的、体力的な負担が軽減できる。会社側にとっても、東京になかなか出てこられなかった優秀な学生との接点が持てる。お互いにWin-Winです」。今年は、札幌、博多、仙台、大阪で実施し、盛況だった。課題は、1日丸々空けるのが難しい学生もいること。今年、大阪以外は1回のみの開催だったが、今後は複数回、開催していくことも検討している。
 ユニーク採用は、学生の満足度も高く、採用の成果にもつながっている。今後は、これをいかに広げていくか。学生への告知の仕方、母集団形成の仕方が課題だ。「今、内定者が集まったときに、本当にいろいろな学生が、ユニークな個性が集まっているのを見て、それがすごくユナイテッドらしいな、いいな、と実感しています。弊社には、いろいろな事業があり、職種も多彩で、多様な人がいる。多様性を尊重している。採用でもそれが体現できているのは、いいことだなと思っています」。


【会社DATA】
ユナイテッド株式会社
本社:東京都渋谷区渋谷1-2-5 MFPR渋谷ビル(旧:アライブ美竹) 9F
設立:1998年2月
代表者:代表取締役会長CEO 早川与規
資本金:29億2,200万円(2018年3月末現在)
従業員数:連結373人/単体179人(2018年3月末時点)
http://united.jp/