月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい7月のトピックス

2018-07-06 10:14

2018.July

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●不正競争防止法改正によるビッグデータの保護

 2018年の通常国会に不正競争防止法の改正法案(以下、「改正法案」)が上程されています。ビッグデータの利活用促進のため、環境を整え、新たな付加価値の創出につなげることなどを目的とする改正とされています。
 改正法案は、「限定提供データ」という概念を「業として特定の者に提供する情報として電磁的方法により相当量蓄積され、及び管理されている技術上又は営業上の情報(秘密として管理されているものを除く)」と定義し、この限定提供データを窃取、詐欺、強迫その他の不正な手段により取得する行為、不正取得行為により取得した限定提供データを使用・開示する行為、およびその転得類型等の行為を不正競争行為と規定し、差し止めおよび損害賠償請求の対象としています。現行の不正競争防止法は営業秘密を法的保護しているので、ビッグデータも営業秘密に該当すれば保護される可能性がありますが、営業秘密の要件である「秘密管理性」、「有用性」、「非公知性」を充足する必要があります。
 改正法案は、ビッグデータを「限定提供データ」と位置付け、法的保護が受けられることを狙ったものといえそうです。ただし、営業秘密と異なり、転得類型は、不正取得行為が介在したことを知っている場合にのみ差し止めや損害賠償請求の対象となるとし、重大な過失によって知らなかった場合を排除するなど、善意者による取り引きの安全に一定の配慮をしています。


■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●2018年問題と派遣社員の大幅増

 「労働者派遣事業報告書」の集計結果が公表されました。これは、2017年6月1日現在の労働者派遣事業についてまとめた業務統計であり、派遣労働者数は約156万人(前年比19.4%増)となっています。ここで注目されるのは、無期雇用派遣労働者の人数です。前年比66.0%増となっており、有期雇用派遣労働者の前年比21.9%増と比較すると大幅な伸びを示しています。
 改正労働者派遣法は、有期雇用派遣労働者に対して期間制限を設けており、原則として派遣先は3年を超えて使用することができません。改正法が施行され今年9月30日で3年を迎えることから、2018年問題と呼ばれています。一方、無期雇用派遣労働者に対しては、期間制限が適用されないことから、大幅な伸びにつながったものと思われます。

●「過重労働解消キャンペーン」の結果

 厚生労働省は、2017年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」の結果を公表しました。7635事業場で監督指導が実施され、5029事業場(全体の65.9%)で労働基準関係法令違反があったようです。内容別の内訳では、違法な時間外労働が2848事業場(37.3%)であり、そのうち1694事業場(59.5%)で月80時間を超えています。依然として過重労働が大きな問題となっています。

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●マイカー通勤者の通勤手当

 マイカー通勤者に対する通勤手当については、その通勤距離に応じ、非課税とされる金額が所得税法施行令において定められています(例:通勤距離が片道10キロメートル未満である場合、1か月当たり4200円)。会社によっては通勤距離にかかわらず、一律定額で通勤手当を支給している例もありますが、所得税法施行令に定める非課税限度額を超える支給をしている場合、その超過額については給与所得として源泉徴収の対象とされることとなります。
 なお、留意事項としては、通勤距離が片道2キロメートル未満の場合、たとえマイカー通勤をしていたとしても、原則として通勤手当の全額が源泉徴収の対象となります。

●パソコンの取得価額

 パソコンのハード部分であるコンピューター機器は有形固定資産である「器具備品」に該当し、ソフトウエアは無形固定資産に該当します。
 しかし、最近は購入時からアプリケーションソフトがあらかじめインストールされた状態のパソコンも数多く販売されています。こういったパソコンの場合、ハード部分とソフト部分は一体のものとして販売されているものであるため、たとえソフト部分について単体の販売価格が把握できるとしても、その総額を有形固定資産である「器具備品」の取得価額として認識することとなります。

『月刊総務』2018年7月号P7より転載