月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい6月のトピックス

2019-05-28 10:55

2019.June

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●独占禁止法の改正で変わる課徴金減免制度

 独占禁止法の改正法案が本年3月12日に閣議決定され、通常国会で審議されています。主な改正点は課徴金減免制度の大幅な変更です。
 課徴金減免制度は、独占禁止法違反を自ら公正取引委員会に申告した事業者の課徴金を減免する制度です。現行法では、申告順位によって1位は全額免除、2位は50%免除、3-5位までが30%免除となっています。
 これに対し改正法案は、事業者の実態解明への協力度合いに応じて2位は最大60%、3-5位は最大50%、6位以下でも最大45%の減免を受けることができるようになり、申請者数の上限も撤廃されています。さらに、事業者の実態解明への協力度合いについては、事業者が自主的に提出した証拠の価値に応じて、減免率が決せられるとされています。
 また、事業者からの減免申請と協議開始の申し出によって、公正取引委員会との間で協議がされます。この協議において、事業者による協力の内容と公正取引委員会による減算率の付加が議論され、協力内容と減算率の合意がされれば、協議終了となり、事業者から公正取引委員会に証拠が提出されて、減算率を適用した課徴金を事業者が納付することとなります。
 その他改正法案では、課徴金の算定基礎の追加その他算定期間の延長等課徴金の算定方法の見直し、検査妨害の罪に係る法人等の罰金の上限額の引き上げなどが規定されています。


■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●健康情報取扱規程の作成

 改正労働安全衛生法は、「心身の状態に関する情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない」と、会社の義務を定めています。具体的には、2018年9月7日に公表された指針に示される取扱規程を作成することになります。これを受け、厚生労働省は健康情報取扱規程のひな型を含むパンフレット「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」を2019年3月29日に公表しましたので参考にするとよいでしょう。
 なお、働き方改革関連法では、さまざまな中小企業の猶予措置がありますが、この部分にはありませんので注意が必要です。

●高度プロフェッショナル制度

 2019年3月25日、高度プロフェッショナル制度に関する省令が出たことで、ようやく詳細が確定しました。年収要件については、当初の予定通り1,075万円となりました。選択的健康確保措置であるインターバル規制の休息時間は11時間、深夜労働の制限回数は4回となりました。努力義務として一般の労働者にもインターバル規制は適用されますが、この省令で11時間とされたことからEUと同様の休息時間が定着するかもしれません。
 また、実施の状況について、6か月以内ごとに所轄の労働基準監督署へ報告をする必要があります。


■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●ふるさと納税制度の見直し

 過度な返礼品を送付し、制度の趣旨をゆがめているような地方自治体に対して、ふるさと納税の対象外にすることができるよう、制度の見直しが行われました。
 具体的には、総務大臣の指定により、ふるさと納税制度の適用対象となる自治体は、寄付金の募集を適正に実施し、返礼品の返礼割合が3割以下、かつ、返礼品を地場産品とする自治体に限られることとなりました。
 本年6月1日以後、総務大臣指定外の自治体へのふるさと納税(寄付金)は、寄付金控除が受けられなくなります。

●QRコードを利用したコンビニ納付

 QRコードを利用したコンビニエンスストア(以下、コンビニ)納付が、本年より可能となりました。パソコン、スマートフォン等で作成したQRコードを基に、コンビニの端末で納付書を出力すれば、その場で納付できます。
 手数料は不要で、基本的にすべての国税に対応していますが、源泉所得税など一部の税目については、対象外のものもあります。
 利用に当たって「納付できる金額は30万円以下であること」「現金納付に限られており、クレジットカード、電子マネーは利用できないこと」「納付済み納税証明書の発行に3週間程度かかる場合があること」「一部のコンビニでは利用できないこと」などに注意する必要があります。

『月刊総務』2019年6月号P7より転載