総務のトピックス

イベントレポート:

社員幸福度を高める組織運営の在り方
5万人の調査から明らかに

2017-11-17 10:00

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 企業経営者のマインドやスタンスに多大なる影響を及ぼしたと評価される書籍『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズ(法政大学大学院政策創造研究科坂本光司教授著)を発行する株式会社あさ出版は11月10日、『理想の会社をつくるたった7つの方法』(日本でいちばん大切にしたい会社サーベイ編)を発行し、13日、東京・大手町パソナグループJOB HUB SQUAREにて記念イベントを開催しました。

 2008年に第一巻が発刊されて以来シリーズ累計70万部の売上を超える『日本でいちばん大切にしたい会社』は、2018年に第6巻の発行が予定されており、これまでに海外諸国でも翻訳・出版され、日本だけでなく世界の多くの企業経営者、組織リーダーの「経営の教科書」として愛読され、多くの人に影響を与え続けています。

 2010年、著者の坂本光司教授と研究室のゼミ生・研究生、さらにパソナキャリアカンパニーの渡辺尚プレジデント、同社の「良い会社プロジェクト」がジョイントし、『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズに登場するような「良い会社」をつくるための共通の方程式を明らかにしようと、共同研究プロジェクトが発足しました。

 日本を代表する「良い会社」に対する6か年に及ぶ研究、約300社・総計50,000人を対象とした調査等を重ね、良い会社に共通する7つのキーワードが抽出されました。(1)社員の幸せが大切にされている、(2)経営理念が実践されている、(3)協力企業やお客様を大切にしている、(4)理念採用をし、人財育成に力を入れている、(5)話し合う風土がある、(6)社内に一体感がある、(7)納得性の高い人事評価がなされている。共同研究プロジェクトでは同時に、自社がどれだけ「良い」会社なのか、あるいは、課題が多い会社なのかを客観的に評価することのできるサーベイの仕組みを開発しました。「良い会社サーベイ」という評価手法を通じて、そのスコアの高い企業では共通して上述の7つの要素が実現されていることが明らかになりました。

 では、その「スコア」とはどういうものなのでしょうか。本書のタイトルにもある「理想の会社」という言葉を聞いてどのような会社を思い浮かべるかは、人それぞれでしょう。特に経営者は、「利益率の高い会社が理想だ」とか、「売上が大きい会社」、「世界に羽ばたいてグローバルに展開し成功を収めている会社が理想」など、見解はさまざまに分かれることでしょう。「良い会社サーベイ」が立脚するのは、「社員の目線に立って」「社員にとって」良い会社が「理想の会社」であるとしていることです。著者のグループは、「社員にとって理想の会社が、世の中にとって理想の会社なのだ」という社員第一主義の立場にたって、このサーベイの仕組みを作り上げました。それが、経営者や一部の幹部社員に対する聞き取り調査、財務諸表その他の資料の調査などではなく(それだけではなく)、全社員へのアンケート調査を最優先にしていることに表れています。「自分が現在担当している仕事に誇りを持っている」「上司・先輩社員は、自分の育成に力を注いでくれている」など社員目線での76の設問から成る会社診断の仕組みであり、世に多く存在する経営者視点での結果としての経営の巧拙を問う調査や、社員の物的満足度を問うものとは一線を画す、「人を大切にする正しい経営を実行するための会社診断」として設計されています。

 パソナキャリアカンパニー「良い会社サーベイ」;
 http://e-kaisya.pasonacareer.com/

「社員幸福度」というと、「人を大切にする経営学会」の事務局が置かれている株式会社イマージョン(東京・千代田。代表取締役社長:藤井正隆さん)によって2017年9月、「社員幸福度調査」がリリースされました。

 株式会社イマージョン「社員幸福度調査」;
 
http://immersion.co.jp/article.php/category02-07

 総務人事の立場からも、人件費をいかに削減して利益を捻出するかなどといったスタンスに立った業務運営はもはや受け入れられることはなく、社員を中心とした企業に関わる「人」の幸福度を高める経営、業務の遂行が強く求められると主張する研究者、企業が増えていることが、こうした動きからも明らかになっているといえるでしょう。


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『理想の会社をつくるたった7つの方法』の著者、書籍で紹介されている
「良い会社サーベイ」上位企業の代表者らによる記念撮影のようす
(前列左が坂本光司教授、前列中央がパソナキャリアカンパニー渡辺尚プレジデント)