総務のトピックス

【税務トピックス】:

中小企業向け租税特別措置に所得基準を追加

2017-08-14 10:30

 平成29年度税制改正により、過去3年の所得平均が15億円を超える中小企業者(以下、「適用除外事業者」といいます)については、平成31年4月1日以後開始事業年度から、中小企業向けの租税特別措置が適用対象外とされることとなりました。以下、適用除外事業者、及び、適用対象外とされる租税特別措置について、具体的に解説します。


適用除外事業者

 上記の「適用除外事業者」とは,中小企業者のうち、中小企業向け租税特別措置の適用を受けようとする事業年度(判定対象年度)開始の日前3年以内に終了した各事業年度(基準年度)の所得の金額の合計額を各基準年度の月数の合計数で除し,これに12を乗じて計算した金額が15億円を超える法人をいいます(設立後3年を経過していないこと等の事由がある場合には,その計算した金額にその事由の内容に応じ一定の調整が加えられます)(措法42の4(8)六の二)。

 所得の金額は、各基準年度における課税所得の金額をいい、欠損金の繰越控除制度等の適用後の金額となります。

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(出所:財務省 平成29年度税制改正の概要)


適用対象外とされる租税特別措置

 次に掲げる中小企業向けの租税特別措置(要件の特例を含みます)について、適用除外事業者に該当するものの事業年度においては、その適用等を停止することとされました。

・研究開発税制のうち中小企業者を対象とした中小企業技術基盤強化税制(措法42の4(3)(4))
・地方活力向上地域において特定建物等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除の投資規模要件の中小企業特例(措令27の11の3)
・公害防止用設備の特別償却(措法43(1)一)
・自動車教習用貨物自動車の特別償却(措法43(1)三)
・被災代替資産等の特別償却(措法43の3(2))
・中小企業等の貸倒引当金の特例のうち中小企業等の法定繰入率の適用に関する特例(措法57の9(1))


注意点

 本改正は,租税特別措置法に規定されている制度のうち,適用期限が平成31年3月31日以前に到来しないものに対して設けられています。今後、上記以外の中小企業向けの租税特別措置についても適用期限の延長に応じて、順次改正が行われることとされています。

 ただし、「交際費等の損金不算入の中小企業特例(800万円定額控除限度額制度)(措法61の4(2))」及び「中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付の不適用(措法66の13(1))」については、適用期限の延長等があった場合においても、本改正の対象とはならない予定です。

 今後適用期限が延長された場合に、本改正の適用対象とされることが予定されている制度は、以下の通りです。

・中小企業者等の軽減税率の特例
・環境関連投資促進税制の法人税額の特別控除
・中小企業投資促進税制
・雇用促進税制の中小企業特例
・特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除
・中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除
・所得拡大促進税制の中小企業特例
・特定地域における工業用機械等の割増償却の中小企業特例
・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
・中小企業者の事業再生に伴い特定の組合財産に係る債務免除等がある場合の評価損益等の特例


連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
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