総務のトピックス

【会計トピックス】:

「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」の公表

2018-02-09 12:00

 平成28年に公布された「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第62号)により、「資金決済に関する法律」(平成21年法律第59号。以下「資金決済法」という。)が改正され、仮想通貨が定義された上で、仮想通貨交換業者に対して登録制が導入されました。これを受けて、平成29年12月6日に企業会計基準委員会は、「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」(以下「公開草案」という。)を公表しました。


1. 範囲

 資金決済法に規定するすべての仮想通貨が対象になります。
なお、前払式支払手段発行者が発行するいわゆる「プリペイドカード」や、ポイント・サービス(財・サービスの販売金額の一定割合に応じてポイントを発行するサービスや、来場や利用ごとに一定額のポイントを発行するサービス等)における「ポイント」は、資金決済法上の仮想通貨には該当しません。


2. 仮想通貨交換業者又は仮想通貨利用者が保有する仮想通貨の会計処理

【期末における仮想通貨の評価に関する会計処理】

(1)活発な市場が存在する場合

 市場価格に基づく価額をもって当該仮想通貨の貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額は当期の損益として処理します。

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(2)活発な市場が存在しない場合

 取得原価をもって貸借対照表価額とします。

 なお、期末における処分見込価額(ゼロ又は備忘価額を含む。)が取得原価を下回る場合、当該処分見込価額をもって貸借対照表価額とし、取得原価と当該処分見込価額との差額は当期の損失として処理します。

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【仮想通貨の取引に係る活発な市場の判断の変更時の取扱い】

(1)活発な市場が存在する仮想通貨が、活発な市場が存在しない仮想通貨となった場合

 活発な市場が存在しない仮想通貨となる前に最後に観察された市場価格に基づく価額をもって取得原価とし、評価差額は当期の損益として処理します。その後の期末評価は、活発な市場が存在しない仮想通貨として行います。

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(2)活発な市場が存在しない仮想通貨が、活発な市場が存在する仮想通貨となった場合

 その後の期末評価は、活発な市場が存在する仮想通貨として行います。

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【仮想通貨の売却損益の認識時点】

 仮想通貨交換業者及び仮想通貨利用者は、仮想通貨の売却損益を当該仮想通貨の売買の合意が成立した時点において認識します。

 売却損益は、仮想通貨の売却取引に係る売却収入から売却原価を控除して算定した純額を損益計算書に表示します。


3. 仮想通貨交換業者が預託者から預かった仮想通貨の会計処理

【仮想通貨交換業者が預託者から預かった仮想通貨に係る資産及び負債の認識】

 仮想通貨交換業者は、預託者との預託の合意に基づいて仮想通貨を預かった時に、預かった仮想通貨を預かった時の時価により資産として認識します。

 また、仮想通貨交換業者は、同時に、預託者に対する返還義務を、負債として認識します。当該負債の当初認識時の帳簿価額は、預かった仮想通貨に係る資産の帳簿価額と同額とします。

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【仮想通貨交換業者が預託者から預かった仮想通貨に係る期末の資産の評価及び負債の貸借対照表価額】

 仮想通貨交換業者は、預託者から預かった仮想通貨に係る資産の期末の帳簿価額について、仮想通貨交換業者が保有する同一種類の仮想通貨から簿価分離した上で、活発な市場が存在する仮想通貨と活発な市場が存在しない仮想通貨の分類に応じて、仮想通貨交換業者の保有する仮想通貨と同様の方法により評価を行います。

 また、仮想通貨交換業者は、預託者への返還義務として計上した負債の期末の貸借対照表価額を、対応する預かった仮想通貨に係る資産の期末の貸借対照表価額と同額とします。

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連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
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