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  • マイナンバー制度施行!企業が行うべき準備と対応(2/5)

◆制度実施のロードマップ

2016年1月の制度運用開始まで、わずかな期間しかありません。各企業はその間にマイナンバーの収集方法や利用・保管・廃棄までのルールと運用体制を整えなければならず、まさに「待ったなし」の対応が求められます。図表4に2016年1月までのロードマップを示しました。

2016年1月までのロードマップ(例)

個人番号の通知は2015年10月に行われます。個人番号の通知時期にはマスメディアの報道や口コミでの広がりにより、顧客や株主からの問い合わせが頻繁に寄せられることが予測されます。そのため各企業は遅くとも2015年10月までには準備を整え、各方面からの問い合わせに対応できる態勢を構築しなければなりません。対応専用窓口などを設置して混乱を避けるべく工夫を施すことが必要になる可能性があります。

実際に発生する煩雑な事務業務を税理士や社労士に委託する、あるいはグループ企業内のサービス会社等で一括して実施することは可能です。もちろんその際は、委託先に対する「必要かつ適切な監督を行う義務(法11条)」が課せられることはいうまでもありません。委託の際は「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」にて契約内容に盛り込まなければならない事項が規定されており、確認が必要です。

◆推進体制の決定

企業は次の4つのステークホルダーとの関係において個人番号を使うシーンが発生します。

(1)従業員との関係
(2)取引先との関係
(3)株主との関係
(4)顧客との関係

ただし、(4)の顧客との関係で使用するのはほぼ金融機関に限られますので、それ以外の多くの企業に関しては除外してよいと考えます。残り3つの関係で、一般的にもっとも使用するケースが多くなるのは、(1)の従業員との関係においてでしょう。 従業員が会社を通して行政に提出する書類は「税務関連」と「社会保険関連」に分類されます。前者の主なものは源泉徴収票や支払調書で、経理部門が取り扱い部署となります。後者は総務や人事が取り扱いますが、個人番号にかかわる業務は、全社員に関係する全社的な取り組みとなりますから、全社に周知し、総務部が全体をコントロールしながら、主導的な役割を果たしていくというのが一般的でしょう。

図表5で、企業における担当者の例を挙げました。このように、総務、人事、経理、法務等の関連部署が勉強会を実施し、具体的な施策を分担して進めていくのが理想的です。

会社での担当者(例)

また、法改正に伴う社内体制の整備であることから、主幹部署を法務部門に置くという企業もあるかもしれません。あるいは、システム部門主導で、今回の事案を機にパッケージのバージョンアップをはかったり、クラウドに移行するというシステムの大幅改編を前提とした推進方策も考えられます。どのような推進の方策を取るにしろ、個人番号を企業が利用するのは行政に提出する書類のみで、それ以外の利用は原則不可であることは常に留意しなければなりません。

◆まずは業務の洗い出しから

実務的な対応としては、推進体制が決まったら、マイナンバー法に関連する書類を扱う部門がどこに当たるかなど、業務の洗い出しを行うことから始めます。2015年10月の番号通知までには社員教育を終えておかなければなりませんので、まだ業務の洗い出しが終わっていない企業のみなさんは、今から早急に始めるべきでしょう。また、洗い出しをすると、どのITシステムを改修しなければならないか等もおのずとわかってきます。改修が必要なシステムに関しては、対象システムの担当ベンダーと協議しながら具体的な検討を進める準備に取り掛かる必要があります。民間企業向けにマイナンバー制度対応の受託を打ち出しているシステムベンダーも見られますので、問い合わせてみるのも一考でしょう。

◆マニュアルや社内規程を整備

個人番号を取り扱う際は、既存の事務業務とは全く異なる作業が多く発生しますので、マイナンバー制度導入の新運用に則したマニュアルの整備が必須となります。また、個人番号が付加される特定個人情報に関しては、取り扱い上の制限がこれまでの個人情報より格段に厳しくなるため、社内規程の見直しも必要になります。これまでの業務フローを改変し、新規業務フローを立ち上げ、それに対応した事務作業を行える準備をする。そして、社内規程を整備し直し、新たなITシステムを構築するには相当の時間とコストがかかります。

民間企業がマイナンバー制度について理解しておくべき事項に関しては、内閣官房のホームページ内の「よくある質問(FAQ)4.民間事業者における取扱いに関する質問」に詳しく掲載されていますので参考にしてください。

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