『月刊総務』プロジェクト:
【緊急座談会】第2回「全国総務大賞」の裏話
~現役総務担当者の視点で見る各施策の評価ポイント~
vol.1 受賞企業の評価(前半)
2012-01-27 14:30
2011年12月8日に開催された「総務コンベンション2011」。このイベントのメインとなった第2回「全国総務大賞」だが、当日は受賞企業のプレゼンテーションのほか、作家・童門冬二氏をはじめ、各専門家で構成された審査員の講評が発表された。この審査員に『月刊総務』編集部で選抜した現役の総務担当者が存在したことをご存じだろうか。今回は審査に加わっていただいた現役総務担当者4人の方に、第2回「全国総務大賞」の受賞作品について振り返ってもらった。
※イベント当日にご来場いただいた方は、ぜひ当日のレジュメを、『月刊総務』2012年2月号をお持ちの方は特集ページをご覧いただきながらお読みください
―現役審査員の紹介―
A氏(以下A):某外資系の総務部長。「他社のやっていることを客観的に見てみたい」という理由から審査員を承諾。投入コストに対してのベネフィットの大きさ、取り組んだことに対しての達成感の度合いに評価軸をおいて審査していただいた。
B氏(以下B):某外資系の総務マネジャー。自社内だけでは得られない刺激を得られる点と、意識して応募しているモチベーションの高い方々の取り組みを見ることができる点から審査員を承諾。取り組みに対する情熱と本気度、それに本能的に魅かれるかどうかに評価軸をおいて審査していただいた。
C氏(以下C):某日系企業の総務課長。自己啓発の延長という点で審査員を承諾。会社規模や事業にとらわれず、総務担当として発信している点、会社を良くするための気持ちという点に評価軸をおいて審査していただいた。
D氏(以下D):某外資系の総務課長。自身の「総務業務をもっと知ってもらい、活気づけるとともに盛り上げていきたい」というライフワークもあり審査員を承諾。目新しいもの、自社だけでなく他社でも取り組みを行っていないものという点を軸に審査していただいた。

印象に残っている企業、企画は?
―本日はお集まりいただきありがとうございました。実際に審査していただき、数か月が経過しましたが、みなさんの印象に残っている企業、企画についてお聞かせください。
A:キヤノンマーケティングジャパン株式会社さんの取り組みで、電力量をフロア別でなくエリア別に計測したという点は私自身にも経験があり、苦労もわかりますね。3.11の前の、まだ日本全体に危機感がなかったころから活動をし、周りに何を言われても信念を貫いて行動していた点に対する情熱を高く評価しました。
B:私は、もっと人が見える内容だと良かったと思います。ただし、これは実際にお聞きしたお話ですが、社員一人ひとりが退社後機械のコンセントを抜いて帰るそうです。そういった地道な活動がしっかりと行き渡っており、風土が出来上がっている。その部分での総務の役割は評価できますね。
D:私自身の評価としては、取り組み自体の目新しさはなかったように思います。ただし、活動における数値や取り組み項目の多さはさすがだと思います。欲をいえば、データから分析した内容を社員に徹底させるまでの経緯をもっと詳しく知りたかったですね。
C:私はこのSタワーに移転してくるときのほうがずっと大変だったというお話をうかがいました。機会があれば、この移転の際のお話もうかがってみたいです。節電といえば、私は株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインさんの取り組みが良かったと思いました。現実的で「自分でもできるのではないか」という点ですね。自分自身も社員に注意されながら活動したという経験があり、共感を覚えましたし、この取り組みを読んで「節電対策はここまで切り詰めていける」ということもわかりました。
B:私は「体調を崩す社員がいた」という点が非常に気になりました。社員の体調管理は私自身が活動をしていた中で、一番気を付けて取り組んだ点だからです。そのためエリアごとの電力の調整も余儀なくされ、とても気を遣いながら活動をしていました。その点に関しては他社と比べて評価は低いですね。
C:私も「施策の開始から終了まで無理のない進行管理か」という評価項目は低いですね。
B:ただ、こういった行動と失敗を繰り返して総務はいい方向に行くんですよね。今回、数値目標を達成したことは素晴らしいことですし、今後も新しい壁に当たっていくはず。この時点でこの結果を出せた行動力に関しては素晴らしいですよ。
D:コンサル費を相殺したという点も素晴らしいですしね。これは日頃からのリレーションがうまくいっている証拠です。震災関連でいえば、BCPが大きなキーワードとなりましたが、そういった取り組みにおいて株式会社アイエスエフネットさんが行ったiPhoneを活用した安否確認の取り組みは目新しく、斬新でした。実際にツールとして利用するための社員教育も大変だったと思います。
A:確かにiPhoneを緊急ツールとすることで普段から利用できる点や、コミュニケーションツールとしても活用している点はいいですよね。
D:グループ同士の連絡ツールやコミュニケーションツールとしての活用ができるともっと面白いですよね。
A:アプリの利用で効率アップも図ることができるかもしれませんしね。ただ、投入コストに対してのベネフィット部分があまり触れられていないように思いました。
C:私もこの取り組みは評価していましたが、会社への帰属意識の部分をもう少し詳しく聞きたかったですね。
B:私も「CORE制度」という、「会社は家族」という仕組みは日本の企業には向いている考えだと思いますし、この部分に対してもっとお話をうかがいたかったです。また、iPhone導入に至るまでの努力が私には読み取れませんでした。どういう苦労の末、導入に至ったのかがわかるともっと評価が変わったと思いますね。
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