月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい12月のトピックス

2017-11-27 11:51

2017.December

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾

●取締役の報酬等に関する改正の方向性

 法制審議会に会社法制(企業統治等関係)部会(以下「部会」という)が設置され、本年4月から会社法改正にかかる審議が開始されています。検討事項は、(1)株主総会の手続きの合理化、(2)役員に適切なインセンティブを付与するための規律の整備、(3)社債の管理の在り方の見直し、(4)社外取締役を置くことの義務付け等、(5)責任追及等の訴えにかかる訴訟における和解に関する規律の整備です。
 これら検討事項のうち、(2)の「取締役の報酬等に関する規律の見直し」について、部会資料6ページに「3 取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定の再一任」との項目があります。多くの会社において、取締役個人の報酬等は株主総会で決定された限度額の範囲内で取締役会に委任され、取締役会は代表取締役に再一任することが慣行です。部会資料は、この取締役会の再一任について問題を提起しています。再一任は、取締役会による代表取締役に対する監督に不適切な影響を与えるものであり、禁止することが相当であるとの考え方があること、他方で、最高限度額が株主総会にて定められている以上、禁止する必要はないとの考え方や、再一任の場合には、その旨を事業報告等で株主に開示すれば足りるとの考え方が紹介されています。再一任が禁止されることとなれば、代表取締役社長の権限が縮小することになるため、実務的に大きな影響が出るものと思われます。
 

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久

●働き方改革関連法案のゆくえ

 9月15日、労働政策審議会は「働き方改革関連法案」の要綱について「おおむね妥当」とする答申を行いました。
 この法案は、時間外労働の絶対上限、ホワイトカラーエグゼンプション、同一労働同一賃金などが含まれる重要法案とされるものです。本来であれば、年内成立を目指し労働基準法など関連八法の改正が審議されるところですが、9月28日の衆議院解散により日程が後ろ倒しになっていく模様です。また、以前から継続審議となっていた「労働基準法等の一部を改正する法律案」は、衆議院解散により、審議未了のため廃案となっています。
 

●11月は「過労死等防止啓発月間」です

 厚生労働省は、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、その一環として「過重労働防止キャンペーン」を実施しています。キャンペーン中は、労働局長によるベストプラクティス企業への職場訪問、「過重労働解消相談ダイヤル」を設置し過重労働や賃金不払い残業など労働条件全般にわたる電話相談などが実施されます。また、労働基準監督署による監督指導も実施されます。長時間の過重な労働による過労死等に関して労災請求が行われた事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる企業などへ重点的な監督指導が予定されていますので注意が必要でしょう。
 

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ

●国税の予納について

 予納とは、納付すべき税額が確定した国税で、その納期が到来していないもの、またはおおむね6か月以内に納付すべき税額が確定することが確実であると認められる国税について、事前に税務署長に申し出て納付をする制度をいいます。予納の活用例として、修正申告書を提出する前に事前に予納することにより、延滞税の税負担を軽減することなどが挙げられます。
 本制度を適用した場合、予納した額の還付請求をすることはできませんが、予納が必要なくなったときには過誤納があったものとみなして還付され、または未納税金に充当されます。

 

●野球場のシーズン予約席料について

 野球場のシーズン予約席を購入し、入場券を得意先に配布する場合、その予約席に自社名を掲載しても、不特定多数の者に対する広告宣伝効果を意図したものとは認められないため、シーズン予約席料は、交際費等に該当します。
 シーズン予約席料は中途解約をしても返還されないと考えられるため、開幕日に交際費等に直接関連する行為があったものとし、開幕日を含む事業年度において交際費等として取り扱われます。消費税法上は、野球観戦を目的とした席料および野球観戦という役務提供の対価と考えられ、課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象になります。入場券は一種の整理券として考えられるため、物品切手には該当しません。
 
『月刊総務』2017年12月号P7より転載