月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい2月のトピックス

2018-01-29 11:00

2018.February

◆法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾

●組織的な企業不祥事の要因

 大企業である上場企業や公的機関において、組織的な不祥事が続出しています。
 このうち、第三者委員会による報告がされている総合電機メーカーのT社と政府系金融機関のS社を調査すると、共通する5つの要因が見えてきます。
 1つ目は事業を取り巻く環境の変化です。事業が厳しい状況に追い込まれ、経営トップに強いプレッシャーがかかっていました。
 2つ目は、会社の実力以上の業績を上げるべく、経営トップが、現場に強いプレッシャーを与え、不正行為をせざるを得ない状況に追い込んでいく悪いトップダウン構造です。
 3つ目は、不正行為を実施しても「会社を守る」=「すべてのステークホルダーを守る」という論理で、不正行為の正当化が行われていました。
 4つ目は、会社の組織が縦割り事業部制で、横断的な情報共有等がないため、経営トップから強いプレッシャーをかけられることに弱い会社の組織構造の問題です。
 5つ目は内部統制制度の形骸化です。特に、内部統制の責任部門である監査部が経営トップ直属の機関である場合、経営トップの不正行為を監査できない結果となります。また、内部通報制度も形骸化していることが共通して見られます。そのため、心ある従業員が内部通報をしても握り潰されてしまうわけです。
 

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久

●2つの2018年問題

 2018年問題として、4月1日以降に労働契約法の無期転換、9月30日以降に労働者派遣法の雇用申込みみなし義務という2つの問題が顕在化することになります。
 無期転換が大きく注目を集めたために、労働者派遣法の改正がその陰に隠れてマークが外れている可能性もあるでしょう。特に、派遣労働者が事業所へ派遣されて3年を経過する場合、労働組合など労働者代表からの意見聴取等、適切な労使の手続きが必要になります。この手続きに不備があった場合には、雇用申込みみなし義務が発生するため注意が必要です。
 

●副業・兼業のモデル就業規則

 厚生労働省は、働き方改革の一環として「柔軟な働き方に関する検討会」において、副業・兼業に関するモデル就業規則の改定案を示しました。
 これによると、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と明記され、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を遵守事項とする条項が削除されました。法的強制力はありませんが、各企業での規程見直しに一定の影響を及ぼすことが予想されます。
 また、「副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子(案)」も公表されたため、企業は副業・兼業への対応を求められるでしょう。
 

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ

●扶養親族等の数の算定方法の変更

 配偶者控除及び配偶者特別控除の改正に伴い、2018年1月以降、給与等を支払う際の配偶者に係る扶養親族等の数の算定方法が変更となります。
 配偶者が源泉控除対象配偶者※1に該当する場合は、扶養親族等の数に一人を加えます。同一生計配偶者※2が障害者に該当する場合は、扶養親族等の数に1人を加えて計算します。
※1 合計所得金額(見積額)が900万円以下の給与所得者と生計を一にする、合計所得金額(見積額)が85万円以下の配偶者。
※2 給与所得者(所得制限なし)と生計を1にする、合計所得金額(見積額)が38万円以下の配偶者。(※1・2ともに青色事業専従者等は除く)

 

●つみたてNISA制度の創設

 2017年度税制改正により、非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の改正が行われ、これまでの非課税措置(NISA)に加え、新しい非課税措置(つみたてNISA)が創設されました。
 つみたてNISAは、金融機関等で非課税口座を開設し、その口座内に設定する累積投資勘定においてETFや株式投資信託を購入すると、分配金や売却益等が非課税となる制度です。
 購入できる金額は年間40万円まで。購入方法は累積投資契約に基づく買い付けに限られており、非課税期間は20年間となります。
 
『月刊総務』2018年2月号P7より転載