月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい9月のトピックス

2018-08-31 10:07

2018.September

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●働き方改革法の概要

 2018年6月29日、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が参議院で可決成立しました。その一部を解説します。
 まず、時間外労働に上限規制が導入され、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満、かつ複数月平均80時間(休日労働を含む)が限度とされました。ただし、自動車運転の業務や建設事業については、改正法施行後5年後に上限規制が適用されます。
 また、多様で柔軟な働き方を実現するために、フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長しました。さらに、「高度プロフェッショナル制度」が創設されました。この制度は、職務の範囲が明確で一定の年収(1,000万円以上)を有する労働者が高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合、年間104日の休日を確実に取得させる等の健康確保措置(「インターバル」「1月または3月の在社時間等の上限」「2週間連続の休日確保」「臨時の健康診断」のいずれかの措置)を講じ、かつ本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働基準法に定める労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外するものです。
 勤務間インターバル制度の普及促進については、事業主は前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならないとされています。

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●働き方改革関連法案が成立

 2018年6月29日、働き方改革関連法案が成立しました。この法律は、労働基準法をはじめとする8本の法律の集合体であり、特に注目すべきは次の5項目といってもよいでしょう。(1)時間外労働の絶対上限時間の設定、(2)年次有給休暇に関する毎年5日の時季指定義務の創設、(3)高度プロフェッショナル制度の創設、(4)月60時間超の時間外労働の割増賃金率に関する中小企業への猶予措置の廃止、(5)雇用形態にかかわらない同一労働同一賃金の規制強化
 法律の施行日は、2019年4月を基本としつつ、同一労働同一賃金関連が2020年4月となっています。また、中小企業の場合は、施行日が1年遅くなるケースもありますので、自社の企業規模に応じた施行日を確認しておく必要があるでしょう。

●外国人材の受け入れ拡大

 経済財政諮問会議は、いわゆる「骨太方針」の中で、外国人材の受け入れ拡大をはかる方針を示しました。業種を限定した上で、新たな在留資格を創設する予定です。新制度では、在留期間の上限を通算で五年としますが、一定の試験に合格等した場合には、現行の専門的・技術的分野における在留資格への移行を認められ、在留期間の上限がなくなります。移民政策とは異なるとしながらも、一つの転換点になるかもしれません。


■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●住民税特別徴収に係る納期の特例

 住民税の特別徴収は、源泉所得税の納期の特例制度同様、給与の支払いを受ける者が常時10人未満である場合には、各市町村長等の承認を受けることにより、特別徴収義務者は、特別徴収税額を年2回(※)に分けて納入することが認められています。この制度の利用には、事前に「納期の特例に関する申請書」を提出する必要があります。また、給与の支給を受ける者が10人以上となり要件を満たさなくなった場合には、「要件を欠いた場合の届出」等の提出とともに毎月納入することとなります。各市町村等で取り扱いが異なる場合もあるため、検討の際には事前に各市町村等にご確認ください。

※ 6月10日と12月10日

●非居住者に支払う家賃にかかる源泉所得税

 昨今、賃借物件のオーナーが日本人(居住者)から外国人(非居住者)に変更となるケースが増えています。企業が日本人オーナーに支払う賃料には、所得税の源泉徴収は不要ですが、外国人オーナーに支払う賃料には20.42%の源泉徴収が必要になります。この源泉所得税の納期限は、賃料支払日の属する月の翌月10日で、非居住者用の納付書によって納付することになります。当該源泉徴収を怠った場合や未納の場合には、源泉徴収義務者である企業に対して不納付加算税や延滞税が課されることになるため留意が必要です。


『月刊総務』2018年9月号P7より転載