労働力が売り手市場だったバブルのころは、優秀な新卒者を獲得するために、大手を中心に企業は競って豪華な社有独身寮を建ててきたが、現在は施設の老朽化や維持管理費などの問題を抱える企業が多く、2000年以降、独身寮の一部を統合または廃止し、借り上げの寮や社宅に入居させるケースが増えている。
だがその一方で、ここ数年の新卒者獲得競争を背景に、福利厚生施設を充実させより魅力ある採用条件を提示できるよう、独身寮の増加・充実を検討する企業も増えている。この傾向は社員1000人以上の企業により多く見られ、充実させた、または充実を検討している内容としては老朽化した寮の建て替えや部屋の個室化などハード面の充実のほか、借り上げ寮の増加なども見られる。