図上訓練、机上訓練ともいう。これはその名の通り、実際に参加者が体を動かすことなく、模擬的な災害状況を想定して机上で行う訓練である。
もともとはアメリカで発達してきた災害訓練の手法で、わが国でこの図上演習が注目されたのは阪神淡路大震災以降である。それまで行われてきた、初めから与えられたストーリーを演じるだけの災害訓練では不十分であることがわかってきたためだ。
当初は、自治体などを中心に図上演習が取り入れられた。一般企業が注目し始めたのは近年、BCPの確立が重要視されるようになってからだ。
図上演習では、想定されたシチュエーションでの対応や意思決定を試される。このことで時々刻々と変化する災害状況を具体的にイメージし、迅速かつ的確な対応や意思決定の方法を学ぶことができる。
『月刊総務』2011年9月号より