保養所の利用率は最近落ち込んできているが、その理由としては社員のニーズの多様化が挙げられる。企業が保有する保養所は、大多数は直営と直営外を合わせても1-4か所と少ない。利用率がいくら安くても、毎年何回も同じところへ行く人はいないし、手続きも面倒である。企業にとっても、利用されない保養所はランニングコストが掛かるばかり。しかし、売却したくても買い手がつかない。建物のレイアウトや立地からして、他の目的に使うこともままならい。閉鎖し、解体するにもコストがかかる。されど、そのままにしておくと維持費がかかる。経営環境が厳しくなるにつれて、利用されない保養所、コストがかかる保養所の存在感は大きくなる一方である。
(執筆:『月刊総務』)