月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい2月トピックス

2021-01-28 17:30

2021.February

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●同一労働同一賃金に関する最高裁の判断

 2020年10月13日、最高裁が同一労働同一賃金に関する重要な判断を下しました。この日の判決は2件。1件目は非正規雇用のアルバイト職員に賞与を支給しないこと、2件目は非正規雇用の契約社員に退職金を支給しないことについて、いずれも旧労働契約法第20条が禁止する不合理な取扱いに抵触するのではないかが争点となりました。しかし、最高裁は、賞与や退職金を支給しないことが不合理に当たる場合があるとしつつ、いずれの事案においても不合理性を認めませんでした。その理由は、正職員の業務が非正規雇用の職員の職務よりも困難なものであり、かつ人事異動の可能性があること、非正規雇用の職員には人事異動や配置転換などがなく、その職務の範囲が狭いことなどの事情があり、それらを総合的に斟しん酌しゃくして、不合理な取扱いには該当しないとしたのです。
 なお、同月15日の最高裁による3件の判決は、(1)「正社員に対して夏期冬期休暇を与える一方で、同一の業務を担当する時給制契約社員に対して夏期冬期休暇を与えないという労働条件」、(2)「正社員に対して年末年始勤務手当を与える一方で、同一の業務を担当する契約社員に対して年末年始勤務手当を与えないという労働条件」、(3)「正社員に対して扶養手当を与える一方で、同一の業務を担当する契約社員に扶養手当を与えないという労働条件」は、労働契約法第20条にいう不合理に該当するとしています。


■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●2021年の祝日再移動

 2020年11月27日、「平成32年東京オリンピック特措法」が可決・成立しました。東京オリンピックの開催延期に合わせて、あらためて次の3つの祝日が移動します。
(1)「海の日」が7月22日(木)
(2)「スポーツの日」が同月23日(金)
(3)「山の日」が8月8日(日)
 この結果、7月22日(木)-25日(日)が4連休となり、8月7日(土)-9日(月)は振替休日を含めて3連休となります。東京オリンピックの開会式は7月23日、閉会式は8月8日ですので、祝日の移動による交通機関の混雑緩和が期待されています。なお、法改正がギリギリとなったため、すでに印刷されたカレンダー等には、祝日の移動が反映されていないことが想定されるため注意が必要です。

●36協定も押印廃止

 厚生労働省の労働政策審議会は、届け出等の押印欄の削除に関する「省令案要綱」について、「おおむね妥当」とする答申を出しました。36協定届など過半数代表者の記載のあるものでは、押印欄が廃止されるだけでなく、次のチェックボックスが設けられます。
(1)記名した者が過半数代表者であること
(2)過半数代表者として適法に選出された者であること
 施行日は2021年4月1日の予定です。


■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●国外中古不動産による不動産所得の税制改正

 投資用の国外不動産は建築年数が古いものが多く、建築年数から計算した短い耐用年数を用いることで、多額の減価償却費が計上できます。不動産所得のマイナスと他の所得を損益通算することで節税が可能でしたが、税制改正により、2021年分以降の所得税申告では、建築年数から簡便的に計算した耐用年数に基づく減価償却費の金額は、給与所得他の所得との損益通算ができなくなります。
 今後の国外中古不動産投資で、他の所得との損益通算を行うには、法定耐用年数か、税務上規定された一定の書類を保存した上で求めた耐用年数に基づき、減価償却費を計上していく必要があります。


●テレワーク導入費用

 コロナ禍によりテレワークを導入する企業が増えていますが、自宅で業務を行うためのパソコン等の備品を、会社が従業員に「支給」してしまうと、現物給与として課税されるため、注意が必要です。会社が単に備品を「貸与」するのであれば、現物給与にはなりません。税務調査での指摘リスクを回避するためには、従業員に貸与した備品について、会社は台帳等で適正に管理をしておく必要があります。
 なお、テレワークの導入費用として、会社から従業員に対し定額の金銭を支給した場合、従業員に対する給与として課税されます。


『月刊総務』2021年2月号P7より転載