総務のトピックス

【労務トピックス】:

パートタイム労働者の年次有給休暇について

2017-08-24 04:30

 正社員と比べて労働時間の短い、または労働日数が少ないパートタイム労働者に対しては、年次有給休暇(以下、「有休」とする)を与えなくてよいと認識されている方が多いようであり、実務上、よくお問い合わせを頂きます。本稿では、パートタイム労働者への有休の付与について解説します。

付与される有休の日数
 
 パートタイム労働者への有休の付与方法を一般に、「比例付与」といいます。比例付与の対象となる労働者は、下記(1)、(2)いずれの要件も満たす労働者です。

(1) 週の所定労働時間数が30時間未満
(2) 週の所定労働日数が4日以下(*)

(* 週以外の期間で所定労働日数が定められている場合は、年間所定労働日数が216日以下)

 これらの要件を満たす労働者に対しては、以下の表に則り、有休を付与します。

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 この(1)、(2)の要件を満たさない労働者(週の所定労働時間が30時間以上、または、週の所定労働日数が5日以上の労働者)は、パートタイム労働者であったとしても、正社員同様に有休を付与しなければならない点に留意する必要があります。例えば、1日7時間、週4日勤務(週28時間労働)の労働者には比例付与、1日4時間、週5日勤務(週20時間労働)の労働者には、正社員同様に有休を与えなければなりません。


比例付与における留意点

 時給制のパートタイム労働者が有休を取得した場合、取得した有休に応じて時給を支払う必要がありますが、日によって労働時間が異なるケースがあります。その場合、取得した有休に対して何時間分の時給を支払えばよいのかわからない、というご質問を受けることがあります。

 時給制の労働者に対しては、有休取得日の所定労働時間数分の時給を支払う必要があります。例えば、あらかじめ下記のようなシフトが組まれており、9月1日に有休を取得したとします。9月1日の所定労働時間は3.5時間であるため、3.5時間分の時給を支払う必要があります。また、9月6日に有休を取得した場合は、5.5時間分の時給を支払うことになります。

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 また、有休取得日の賃金を平均賃金(直近3ヶ月間における1日あたりの賃金)とする方法もあります。この場合、平均賃金額には最低保障があり、下記(1)、(2)の計算式で算出した金額のいずれか高い方を平均賃金として支払います。

(1) 直近3ヶ月の賃金総額÷直近3ヶ月の歴日数
(2) 直近3ヶ月の賃金総額÷直近3ヶ月の労働日数×0.6

 いずれの方法を取る場合であっても、労使間のトラブルを避けるため、社内で運用ルールを明確にし、労働者に対して事前にルールを説明しておくことが大切です。

連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
    ( http://www.akj-partners.com/