IPランドスケープ(Intellectual Property Landscape)とは、知的財産(特に特許)情報を活用して、企業の競争優位性を高めるための戦略的手法。特許情報を中心に、自社および競合他社の技術動向や市場の状況を総合的に分析し、経営戦略や事業戦略の策定に役立てることを指す。
特許庁が2021年4月に結果を公表した「経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究」では、IPランドスケープを以下のように図式化している。
同調査では、IPランドスケープという言葉を「知っている」と回答した者は約8割を占めたが、その内、IPランドスケープを「理解している」と回答した者は約3割だった。また、IPランドスケープが「必要である」と回答した者は約8割であったものの、IPランドスケープを十分に実施できていると回答した者は約1割にとどまった。
2017年頃にIPランドスケープが注目を集めて以降、企業間の情報交換も行われているが、IPランドスケープには企業の機密情報が多分に含まれることから、IPランドスケープの具体的手法や調査プロセスは広まっているとは言いがたい。特許庁はIPランドスケープの主な活用目的、活用目的別の分析手法、仮想実施事例を掲載した「IPランドスケープ実践ガイドブック」を作成、配布している。
(出典:特許庁「経営戦略に資するIPランドスケープ実践ガイドブック」)