パンデミック対策における法務問題:企業にとっての法的リスク

最終更新日:2010年03月04日

企業が新型インフルエンザ対策を検討する上で、事業を継続・停止をするに関わらず、様々な法的リスクが想定されます。

まず、事業を継続する場合は、従業員は感染リスクに晒されることになり、それを恐れて出社しないケースや、就業時に感染するケース等が考えられます。逆に、事業を停止する場合は、その間の従業員への賃金支払い、お客様への契約不履行等の問題が起こるケースが考えられます。いずれにせよ、リスクを回避する方法を考えておかねばなりません。

また、厚生労働省の「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン(平成21年2月17日版)」の112ページには、以下のような記載があります。

「新型インフルエンザ発生により事業縮小することなどが、法律上の問題が発生しないかどうかをあらかじめ確認する。

・新型インフルエンザの影響により業務を停止した場合、免責となるかどうか約款を確認し、必要に応じて取引先と協議・見直しを行う。

・新型インフルエンザ発生時に従業員に対して勤務を命じる場合の留意点について検討する。例えば、新型インフルエンザに備えて新たな事業継続計画を立案した場合、勤務する人員1人あたりの労働時間が延長することが労働基準法等に抵触しないことを確認する。」

(「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」―厚生労働省)

これは、各企業に法務対応を検討するよう要請していると理解できます。

各企業の法務担当者には、自社が新型インフルエンザ対策を策定する上で、法的なリスクが内在している部分を発見し、事前にクリアしておくことが求められます。

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