業務上の事故などで亡くなった社員も社葬となるケースがあるが、もっとも代表的な事例と考えられるのは、経営トップの死去であろう。会社に多大な功績を残した人物が亡くなった際に、社名が使用され、会社が費用を負担し、人的な援助も行われる葬儀である。社葬の果たす役割を改めて整理してみると、
(1) 故人の功績を称え、その魂の安らかなることを願う。
(2) 企業として故人の功績を遺族に伝え、遺族を慰める。
(3) 重要な人物を失った組織のメンバーの悲しみに区切りをつける。故人を失ったことを災禍としてとらえるだけでなく、社内の結束を強固にする機会とする。
(4) 会社の継承を内外に知らしめ、その新体制をお披露目する。
(5) 社葬を運営することで会社のイメージアップをはかる。
などがある。
(執筆:『月刊総務』)