総務のトピックス

【労務トピックス】:

"ポケモンGO"で「歩きスマホ」が増加? 身近な通勤災害について

2016-07-29 15:44

最近、ニュースで"ポケモンGO"の話題がしきりに取り上げられているように、子供から大人までゲームをしながら歩いているのを目にします。
「歩きスマホ」「ながらスマホ」はマナー違反、迷惑行為というだけではなく、衝突、転落や交通事故の原因ともなりえます。

通勤途上で「歩きスマホ」の事故に巻き込まれた場合、一定の要件に該当していれば、「通勤災害」と認定され、労働者災害補償保険法(以下労災保険法)の給付対象となります

しかし、被災労働者本人に重大な過失があった場合は保険給付の一部が制限されますし、相手方がいた場合には第三者行為災害とされて、労災保険給付と民事損害賠償との間で支給調整が行われます。


通勤災害として認められるためには

「通勤災害」として認められるためには、労災保険法に規定されている以下の要件を満たす必要があります。

◆ 要件1 就業に関する移動であること
「就業に関する移動である」ためには、被災当日に就業することとなっていたこと、また、現実に就業していたことが必要です。

◆要件2 下記のいずれかに該当する移動であること
(1) 住居と就業の場所との間の往復
「住居」とは労働者が居住している家屋などの場所で、本人の就業のための拠点となるところをいいます。
(2) 就業の場所から他の就業の場所への移動
「就業の場所」とは業務を開始し、または終了する場所をいいます。
(3) 住居と就業の場所との間の往復に先行し、または後続する住居間の移動
単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動をいいます。

◆要件3 合理的な経路及び方法により行われていること
移動を行う場合に、一般に労働者が用いると認められる経路及び方法をいいます。

また、通勤の途中で経路を逸脱し、または移動を中断した場合には、「逸脱」または「中断」の間と、その後の移動は「通勤」とはなりません。

ただし、日常生活上必要な行為であって、やむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合には、「逸脱」、または「中断」の間を除き、合理的な経路に復した後は再び「通勤」とみなされます。


「逸脱」または「中断」に該当する行為とは

★ 日常生活上必要と認められるものの一例
(1)日用品の購入、クリーニング店への立ち寄り
(2)職業訓練学校へ行き、授業を受ける行為
(3)選挙権の行使
(4)病院または診療所において診察または治療を受けること(柔道整復師、はり師等による施術を受ける行為を含む)

たとえば、会社帰りに"ポケモンGO"をするため、友人と公園に集まって遊ぶという行為は、日常生活上必要な行為ではなく、「逸脱」に該当しますので、その前後で事故にあった場合でも「通勤災害」として労災保険法の給付は受けられません

「歩きスマホ」「ながらスマホ」による事故の被害者、加害者にならないように注意しましょう。

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最後に、営業先に訪問する際に「歩きスマホ」で事故に合った場合は、「通勤災害」とはなりません。この移動は業務によるためであり、業務の性質を有するものは「業務災害」という扱いになります。


連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
    ( http://www.akj-partners.com/