総務のトピックス

【労務トピックス】:

確定拠出年金法改正

2016-11-01 15:25

 「確定拠出年金」は、公的年金に上乗せする年金を自分自身で準備するという制度(個人型・企業型の2種類の制度)です。
 この度、法改正が行なわれ、以下の通りとなります。(以下、確定拠出年金を「DC」、確定給付企業年金「DB」と表記します)。

(1) 個人型 DC加入者 について、第3号被保険者(専業主婦)や企業年金加入者、公務員等共済加入者へ適用拡大

今まで加入することができなかった人(専業主婦等)も加入することが可能になり、ライフコースの多様化に応えています。

(2) DC の拠出規制単位を月単位から年単位へ

年単位での拠出が可能となることで拠出限度額までの使い残しをなくし、賞与時など柔軟に拠出が可能となります。

(3) 設立手続き等を大幅に緩和した「簡易型DC制度」を創設

事務手続が煩雑で導入を躊躇する中小企業(厚生年金の被保険者数が100人以下)を対象に、事務手続の簡素化が図られ、取り組みやすい仕組みとなります。

(4)「個人型 DC への小規模事業主掛金納付制度」を創設

厚生年金の被保険者数が100人以下の中小企業の個人型DCへ加入している従業員に対し、事業主による追加の掛金拠出が可能とされます。

(5) DC から DB等へ年金資産の持ち運び(ポータビリティ)を拡充

老後資産のための自助努力を促すため、制度間(DC→DB)の資産移換が可能になります。転職をする場合に、それまでDCによって積み立てた資金を、転職先のDBへも移換することが可能となります。

(6) DC 運用改善のため、継続投資教育の努力義務化や運用商品数の抑制

継続投資教育については「配慮義務」から「努力義務」へ、また運用については加入者がより良い商品選択を行なうことができるように運用商品提供数が抑制されます。

(7) あらかじめ定められた指定運用方法に関する規定の整備・分散投資効果が期待できる商品設定の促進

「あらかじめ定められた指定運用方法」に係る規定が整備され、リスク・リターン特性の異なる三つ以上の運用商品の提供が義務化されます。

(8) 企業年金の手続簡素化や国民年金基金連合会の広報業務の追加

DBからDCへ資産を移換する際の同意要件が緩和されます。また、DB実施事業所の増減に係る手続が見直され、DBの継続が困難な事業所については、厚生労働大臣の承認を得ることでその事業所の同意なしでDBから脱退させることができるようになります。 国民年金基金連合会の業務に「個人型DCの啓発活動及び広報活動を行う事業」が追加されます。


 (1)、(8)については平成29年1月1日から(一部平成28年7月1日施行)、(2)については平成30年1月1日から、その他については公布日から2年以内に政令で定める日に施行されます。

 「確定拠出年金」は今回の改正で、より利用しやすい制度へと変わります。税制メリットとしても、導入した企業(「企業型」)では、その掛金が全額損金になり、加入者(「個人型」)は、掛金が(1)全額所得控除、(2)運用益は非課税、(3)受給時の一時金は「退職所得控除」、年金は「公的年金等控除」という優遇があります。

 「年金」についての不安を自分の手で解決する手段としてこの機会に加入の検討をしてみてはいかがでしょうか。企業にとっても、税制メリットに加え、退職費用の平準化、福利厚生制度の充実による優秀な人材の確保という恩恵が期待できます。

連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
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