総務のトピックス

【税務トピックス】:

中小企業向け措置法改正の全貌(税務)

2017-02-02 14:00

 平成28年12月22日、「平成29年度税制改正大綱」が閣議決定され、3月末ごろまでに改正法案の成立が見込まれます。この度の大綱は、「我が国経済の成長力の底上げのため、就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除・配偶者特別控除の見直しを行うとともに、経済の好循環を促す観点から研究開発税制及び所得拡大促進税制の見直しや中小企業向け設備投資促進税制の拡充等を行う。」ことなどを指針として、様々な改正が行われようとしています。

 その中でも特に中小企業向けの租税特別措置が大幅に見直されることが見込まれます。本稿では、特に中小企業の皆様に関係する措置法改正の主な内容をピックアップして解説します。


<本稿の内容>

1. 研究開発税制の延長・拡充等
2. 中小企業経営強化税制の拡充措置・創設及び中小企業投資促進税制の延長
3. 法人税関係の中小企業向けの各租税特別措置の適用停止


1.研究開発税制の延長・拡充等

(1) 第4次産業革命の実現を推進するため、第4次産業革命型の「サービス」の開発が「試験研究費」の定義の対象に追加されます。例)IoT、ビッグデータ、人工知能等

(2) 増加型(試験研究費の額が増加した場合等の税額控除制度)を廃止した上で、総額型(試験研究費の総額に係る税額控除制度)に投資増加インセンティブを組み込み、試験研究費の増減率に応じて現行制度の12%(試験研究費の総額×12%)を12?17%の範囲とする措置を講じ、メリハリがつく仕組みが導入されます。

(3) 「試験研究費の総額に係る税額控除制度」における中小企業向け支援を強化するため、従来の控除率12%・控除上限(法人税額の)25%を維持した上で、試験研究費が5%超増加した場合に控除率(最大17%)・控除上限(法人税額の10%)を上乗せする仕組みが導入されます。

(4) オープンイノベーション型(特別試験研究に係る税額控除制度)の手続要件が企業実務に合わせて緩和されます。

(5) 高水準型(中小企業技術基盤強化税制)の適用期限が2年間延長されます。

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※ 平成29年4月1日以後に開始する事業年度に適用。


2.中小企業経営強化税制の拡充措置・創設及び中小企業投資促進税制の延長

 中小企業の稼ぐ力を向上させる取組みを支援するため、中小企業等経営強化法の計画認定に基づく設備投資を、即時償却等で強力に後押しすることを目的として中小企業経営強化税制が創設されます。

 中小企業経営強化税制の創設のほか、中小企業投資促進税制については、対象資産から器具備品を除外した上、その適用期限を2年延長となります。

 概要は以下の通りです。

(画像をクリックすると大きな画面でご覧いただけます)
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※ 中小企業経営強化税制...平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に取得等した場合について適用。
※ 中小企業投資促進税制...平成31年3月31日取得等した場合について適用を延長。


3.法人税関係の中小企業向けの各租税特別措置の適用停止

 法人税関係の中小企業向けの各租税特別措置について、前3事業年度の所得金額の平均が年15億円を超える事業年度の適用が停止されます。

 平成28年度税制改正大綱で、会計検査院の指摘を踏まえ「資本金1億円以下の法人に対してー律に同一の制度を適用していることの妥当性について、検討を行う。」 とされていたことが影響したものと考えられます。

 法人税関係の中小企業向けの租税特別措置のうち主なものは以下となります。
 【上乗せ措置】
  ・研究開発税制
  ・所得拡大促進税制
 【中小企業限定の措置】
  ・軽減税率
  ・中小企業投資促進税制
  ・商業・サービス業・農林水産業活性化税制
  ・少額減価償却資産の特例

 すでに租税特別措置の適用を受けることを前提にした投資計画などを行っている中小企業も想定されるため、施行までには2年間の経過措置が設けられます。

※ 平成31年4月1日以後開始事業年度について適用。

連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
    ( http://www.akj-partners.com/