総務のトピックス

【税務トピックス】:

使途不明交際費の取り扱い

2017-04-17 13:00

 吸収合併によって消滅した法人が、購入した商品券の購入費用を接待交際費として計上した上、交際費等に係る損金算入限度額を超過する部分についてのみを損金不算入として取り扱い申告したところ、原処分庁は、商品券の使途が明らかでないことを理由に、商品券の購入費用の全額を損金に算入することはできないとして更正処分を行った事案があります(東京地方裁判所平成25年(行ウ)第627号)。

 これに対し、消滅法人を吸収合併した合併法人(原告)がその取り消しを求めて提訴しましたが、当該提訴は棄却され、原処分庁の主張が支持される結果となりました。

 本事案において、原告の主張が棄却された主たる理由は下記の通りです。

「本件商品券の使途を具体的に特定する事項を記載した書面等は何ら存在しないところ、商品券の使途に関する原告の主張には中核となる部分において変遷がみられる上、原告がその主張に沿うものとして提出する書証によっても、これを裏付けることはできず、そのほかに、商品券の使途に関する原告の主張及びこれに沿う証人の供述を裏付けるに足りる証拠は見当たらないのであるから、本件全証拠によっても商品券の使途は全く明らかでないというほかはなく、業務の遂行上必要であると認めることはできない以上、本件商品券の購入のための費用は、損金の額に算入することはできない。」

 なお、租税特別措置法第61条の4第4項において、交際費等の意義として下記の通り規定されています。
「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう」

 また、法人税基本通達9-7-20においては、
「法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないものは、損金の額に算入しない。」
とされています。

 つまり、本事案においては、商品券を購入し、(恐らく)事業関係者に対して配布したものの、具体的な配布先等を示す書面を保存していなかったためにその使途を明らかにすることができず、結果として「費途が明らかでない交際費」=「業務の遂行上必要であると認めることはできない」と判断されたと考えられます。

 一般的な接待飲食の場合、領収証を入手することによって日付や飲食店舗名が明らかになるとともに、接待相手先についても、当該領収証や仕訳帳の摘要欄に記載していることが多いと思われます。

 一方、一度に多量の商品券を購入し、必要に応じて得意先等に引渡すようなケースの場合、本事案のように、引渡日付や相手先等の適正な管理がなされていないケースも多く見受けられます。

 従って、こういった商品券等を多量に購入した場合においては、引渡日・相手先・使途(引渡理由)・枚数・社内担当者・捺印といった欄を設けた管理簿により管理し、税務調査においても説明できるようにしておくことが望ましいと考えられます。

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連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
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