宥恕措置の終了直前に再履修! 改正電帳法で今年中に企業が対応しなければならない事項とは?
公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)専務理事 甲斐荘 博司
最終更新日:
2023年12月04日
1ヶ月のアクセスランキング
2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法ですが、企業側の電子化への対応の遅れなどを理由として、2年間の宥恕措置が設けられました。その2年の宥恕期間がいよいよ12月で終了しますが、ある調査では6割の企業が未対応の状態だといわれています。本稿では、12月中に企業が対応しておかなければならない点を整理し、猶予措置への移行も含め、対応できていない点はないかあらためて解説します。
改正電子帳簿保存法の概要とこれまでのおおまかな流れ
電子帳簿等保存制度の概要
電子帳簿等保存制度とは、税法上保存が必要な国税関係帳簿書類を紙ではなく電子データで保存することに関する制度で、大きく4つの制度に区分されます
(1)電子帳簿保存
自らが一貫してPC等で作成した仕訳帳、総勘定元帳や補助簿などの帳簿は、紙出力して保存するのではなく、電子データのまま保存することが認められています。また、一定の範囲の帳簿を、「優良な電子帳簿」の要件を満たして電子データ保存している場合は、過少申告加算税が5%軽減される措置もあります。
(2)電子書類保存
帳簿と同様に、自らが一貫してPC等で作成して、紙で取引先に送付する領収書、請求書の控えや決算書などの書類は、紙出力して保存するのではなく、電子データのまま保存することが認められています。
(3)スキャナー保存
取引先から受領等した紙の領収書や請求書などの書類は、その書類自体を保存する代わりに、スマートフォンやスキャナーで読み取った電子データを保存することができます。
(4)電子取引データ保存
申告所得税、法人税に関して帳簿・書類の保存義務が課されている場合、見積書、注文書、契約書、請求書、領収書などに相当する電子データを取引先とやり取りした場合は、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。