改正公益通報者保護法対応完全ガイド

内部通報制度をどう見直す? 「公益通報者保護法」改正で企業がやるべき5つの対応ポイント

弁護士法人堂島法律事務所 弁護士 横瀬 大輝
最終更新日:
2026年03月12日

前回は、2025年改正法の概要について紹介しました。今回は実務における対応ポイントを解説していきます。

従事者指定

新法では、従事者指定義務に関する消費者庁の規制権限が強化され、従事者指定義務の違反行為についても公益通報の対象となりました。

これらの改正により、事業者の従事者指定義務の違反が疑われる場合、労働者等から消費者庁への公益通報(2号通報)がなされることが予想されます。また、違反が認定された場合にはこれまで以上に執行権限が発動される恐れが高まります。
※権限を有する行政機関に対する公益通報

そのため、事業者としては、従事者指定義務違反にならないように、必要な場面で、適切に従事者指定をする必要性が高まるといえるでしょう。特に、個別の通報事案において、通常は従事者として指定されていない調査担当者を従事者指定(個別指定)することを忘れがちですので、今後はより注意が必要となります。

解雇・懲戒

前回述べた通り、公益通報後一定期間内になされた解雇・懲戒に関しては、その有効性について立証責任の転換がなされるとともに、公益通報を理由とする解雇・懲戒については刑事罰が導入されました。

これらの改正を踏まえると、労働者を解雇・懲戒しようとする場合には、それぞれの要件となる「客観的に合理的な理由」や「社会通念上相当」の要件に加え、「公益通報を理由とするものではないこと」についても、しっかりとしたエビデンスを用意しておく必要があります。また、解雇・懲戒をするに至った経緯などをより詳細に記録として残しておく必要が出てきます。

周知義務

新法では体制整備義務の一環として、労働者等への周知についても義務化されました。具体的な周知の内容は、パブリックコメントに付されている法定指針の改正案では、図表1のように定められています(原稿執筆時点)。

改正案では、法定指針において体制整備の内容として求められている各種事項について、周知することが求められています。周知の前提として、内部規程等において図表1の各事項について定めておくことも必要となるでしょう。

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

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プロフィール

弁護士法人堂島法律事務所 弁護士
横瀬 大輝

弁護士・公認不正検査士。2013年弁護士法人ほくと総合法律事務所入所。2020年堂島法律事務所入所。内部通報制度構築支援・外部窓口受託、危機管理・不祥事対応、コンプライアンスを専門分野の一つとする。上場企業、スタートアップ企業、中小企業、自治体などのさまざまなステージの企業・団体の内部通報制度に関与経験を持つ。

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