本社機能の海外移転 事業拠点の世界最適地配置

日比谷中田法律事務所 パートナー/弁護士 加本 亘
最終更新日:
2014年03月04日

日本企業が海外に進出するということは何も目新しいことではないが、近年、事業活動の拠点を日本から海外へ移転するという事例が増加しており、本社機能まで海外へ移転するというケースも見受けられる。経済のグローバル化がますます進展する中、本社機能の最適地配置というテーマは、もはや他人ごとではないという時代となっている。

国際的な企業組織再編や国際租税に詳しい専門家、日比谷中田法律事務所パートナー弁護士の加本亘先生に、日本企業による本社機能の海外移転の傾向や実施手法、税務上の留意点などについてご解説いただいた。

事業のグローバル化の進展に伴い、必ずしも事業活動の拠点を日本に置いておく必要はないと考えるのは自然なことです。海外売上の割合が増えるほど、その市場に近いところに拠点を設けることが望ましいといえますし、人件費や税務コスト、電力などエネルギーコストの高い日本に本社を置いておくより、海外に移転した方がコストを削減できることも確かです。

移動手段や通信インフラの発達もあり、たとえば、中国の市場を意識する場合は香港に、中国以外のアジアを意識する場合はシンガポール、そして、欧州市場を重視するのであればオランダやスイスといった具合に、事業活動拠点の世界最適地配置を検討することができる時代になりました。

これまでも、急速な円高の進展、新興国の安価で豊富な労働力の活用などを理由に製造拠点を海外に移転するなど、特定の機能を海外にシフトするということは、取り立てて論じるまでもなく数多く実施されてきました。それでは今、「本社機能の海外移転」といわれるのはどのようなことを指すのでしょうか。

「本社機能の海外移転」の類型

本社機能の海外移転は、大きく次の四類型に整理することができます。

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著者プロフィール

kamoto

日比谷中田法律事務所 パートナー/弁護士
加本 亘

1996年東京大学法学部卒業、同年司法試験合格。2005年ニューヨーク大学法学部大学院修士課程(国際租税修士)修了。2006年同租税法修士修了。Freshfi elds Bruckhouse Deringer(2000-2007)、Allen& Overy(2007-2011)を経て、2012年1月1日に日比谷中田法律事務所に参画。第二東京弁護士会所属。2000年弁護士登録、2006年ニューヨーク州弁護士登録。
wataru.kamoto@hibiya-nakata.com

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