アウトソーシング:BPO

最終更新日:2024年07月31日

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、自社の業務プロセスの一部または全体を外部の専門業者に委託すること。

BPOと通常のアウトソーシング(外注)の違い

自社の業務を外注するアウトソーシング形態のひとつだが、BPOではプロセスそのものを外部委託し、受託企業がマネジメントを行う。受託企業は業務の遂行とともに、業務プロセスを構築・設計するため、長期的なパートナーシップを構築することが多い。

アウトソーシングの例

  • 社内文書の整理・保管作業を、外部の倉庫業者に依頼する
  • 給与計算業務のみを外部委託

BPOの例

  • 文書管理システムの導入から運用、保管までを含めた文書管理プロセス全体を委託する
  • 人事・給与管理プロセス全体(採用、評価、給与計算、社会保険手続きなど)を一括して委託

企業がBPOを検討するにあたっては、まず自社の業務プロセスを棚卸しした上で、

  • 戦略上競争優位性を確保するために内製化すべきコア業務かどうか
  • 自社に強みのある業務プロセスかどうか

この2つの視点で分析を行う必要がある。

BPOの対象になる業務の例

2008年の経済産業省「BPO(業務プロセスアウトソーシング)研究会報告書」では「総務・経理・人事業務における非コアな業務のビジネス・プロセスを外部へアウトソーシングすること」とされており、対象業務の例として以下などが例に挙げられている。

総務部門

業務 具体的な業務内容
備品管理 備品の在庫確認、発注、管理を担う。
文書管理 文書のデザイン等の検討や保管・蓄積、メンテナンスを行う。
文書の作成・配布を担う場合もある。
庶務 スケジュール管理や書類作成、来客や電話対応等を担う。
受付業務 外部顧客に対する受付業務を担う。

経理部門

業務 具体的な業務内容
資産管理 資産情報の収集、監査、資産管理帳簿の作成と更新を担う。
支払い業務 入力データ・証憑類の確認、伝票・帳簿の作成、振込み手続きを担う。
予算・利益管理 予算・利益管理に関するデータ入力、分析業務等を担う。
債権債務管理 債権・債務管理業務、未収入金や債務者情報、未払い金の一元管理、入金、支払部門および債権・債務計上部門管理等を担う。
決算関連業務 月次・年次決算業務、各種申告書作成支援、決算書作成業務等を担う。

人事部門

業務 具体的な業務内容
給与・賞与計算 勤怠情報の回収および入力、給与計算、給与明細配布、給与明細発行のための給与データ作成、給与支払い手続きを担う。
社会保険関連業務 社会保険加入手続きに必要な書類作成、手続き代行を担う。
人事管理 給与管理や労務管理などの人事関連業務を担う。
採用 採用計画策定、採用セミナー開催、面接実施や面接官指導等を担う。
研修 人材育成に関する各種研修の企画、実施、フォローアップを担う。
退職者支援(アウトプレースメント) 退職者の再雇用や再就職支援を担う。
福利厚生関連 健康診断に関する業務、財形貯蓄に関する業務、社宅の提供など福利厚生に関連する業務を担う。

(出典:経済産業省「BPO(業務プロセスアウトソーシング)研究会報告書」

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