月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい12月のトピックス

2016-11-08 11:35

2016.December

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾

●マタニティハラスメント防止措置

 本年3月に男女雇用機会均等法が改正され、事業者にマタニティハラスメント防止措置を講ずる義務が導入されました。本年8月2日には「事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」が公布されています。
 指針の概要は次の通りです。
 (1)妊娠、出産等に関するハラスメントがあってはならない旨の事業主の方針の明確化、行為者に対する罰則規定の整備およびその周知・啓発
 (2)相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制(相談窓口の設置、窓口担当者の相談への適切な対応)の整備
 (3)職場における妊娠、出産等に関するハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応(事
実関係の把握、被害者に対する配慮の措置、被害者に対する措置、再発防止措置の実施)
 (4)職場における妊娠、出産等に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置
 また、上記措置と併せて、相談者等のプライバシーを保護するための措置を講じることなども必要になります。
 なお、前記改正法および指針は、2017年1月1日から施行されますので、事業主は本年中に対応しなければなりません。
 

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久

●11月は「過重労働解消キャンペーン」

 厚生労働省は、「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施します。キャンペーンの取り組みの一つとして、11月1日から30日は、労働基準監督署による企業への重点監督が行われます。立ち入り調査では、時間外労働等の労使協定(いわゆる36協定)に関する違反や賃金不払残業がないかについて確認されることになりますので注意が必要です。
 

●65歳以上の雇用保険

 雇用保険法の改正により、2017年1月1日から、65歳以上の従業員も雇用保険の被保険者となります。ただし、この件に関する改正労働保険徴収法の施行日は、2020年4月1日となっていますので、雇用保険料の徴収は約3年間免除されることになります。
 

●契約社員の手当不支給は違法

 正社員に支給される通勤手当、給食手当、無事故手当等が契約社員に支給されないのは労働
契約法違反だとする判決がありました(大阪高裁、平28・7・26)。労働契約法20条は、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」を規定しています。今までは、さほど大きな問題とは認識されてきませんでしたが、今後、ほかの裁判なども注視をしていく必要がありそうです。
 

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ

●「平成29年分 源泉徴収税額表」公表

 「平成29年分 源泉徴収税額表」が国税庁より公表されています。昨年に引き続き、給与所得控除の上限額が引き下げられ、2017年においては、給与等の収入金額が1000万円を超える場合の給与所得控除額は220万円(上限)となります。
 2017年1月以降の給与等について税額を算出する際には、右記改正が加味された「平成29年分 源泉徴収税額表」を使用することになりますので、ご留意ください。
 

●従業員の社宅家賃と給与課税

 従業員に社宅を貸与した場合、1か月当たり「賃貸料相当額」の50%以上の金額を従業員から受け取っていれば、その経済的利益を給与として課税されることはありません。
 ここでいう「賃貸料相当額」とは、次の(1)-(3)の合計額をいいます。
 (1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
 (2)12円×(その建物の総床面積(m2)/ 3.3(m2))
 (3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
 無償での貸与または「賃貸料相当額」の50%未満の金額の家賃しか受け取っていない場合は、受け取っている家賃と「賃貸料相当額」との差額が給与として課税されます。
 
 
『月刊総務』2016年12月号P7より転載