月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい4月のトピックス

2017-03-10 10:42

2017. April

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾

●銀行法改正によるフィンテック環境の整備

 最近急速に普及しつつあるフィンテックサービスに、金融機関の口座情報やクレジットカードの利用履歴をまとめて管理できる家計簿アプリがあります。実はこのサービス、フィンテック企業は金融機関と契約を締結しておらず、企業が顧客からIDとパスワードを預かり、顧客の代理で口座情報を照会しています。そのため、悪質な業者が顧客に成り済まして不正を働く恐れがあるといわれています。
 そこで金融庁は、銀行法改正で金融機関とフィンテック企業が契約を締結する登録制の導入をもくろみました。新制度の概要は、顧客の利便性と安全を確保しつつ、幅広いフィンテック企業が金融機関のシステムに接続できるようにプログラムを提供することと、同庁が金融機関とフィンテック企業の接続にかかわる基準を作成・公表し、金融機関と同企業の契約締結を促すものです。金融機関は次の義務を負います。
(1)オープン・イノベーションの取り組みに参加予定の金融機関は、一定期間内にオープンAPIに対応できる体制の整備に努める必要がある。
(2)金融機関は、小規模事業者等の接続を合理的理由なく拒否しないよう、契約締結の可否にかかわる判断の基準を策定・公表し、当該基準を満たす業者とは、原則として契約を締結する。
(3)金融機関は、オープンAPIの導入に関する方針、および業者との間で締結する契約において顧客に生じた損失の分担を定め公表する。
 

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久

●労働時間の適正把握に関するガイドライン

 厚生労働省は、昨年の「過労死等ゼロ」緊急対策に基づき、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を公表しました。従来の「労働時間の適正把握基準」を拡充する形で再構成されたものです。この中で、始業終業時刻を確認・記録する方法の例として、これまでのタイムカード、ICカードに加えて「パソコンの使用時間の記録」が追加されています。また、「休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等」の理由により、従業員が労働時間に該当しない旨を自己申告した場合でも、これらが会社の指示による場合には、労働時間として扱うことが確認されています。
 

●違法な長時間労働等に関する企業名公表

 厚生労働省は1月20日、違法な長時間労働等が認められる企業の経営トップに対する直接指導や企業名を公表する際の基準を見直す通達を出しました(基発0120第1号)。これにより、2015年5月に出された基発0518第1号は廃止されました。新たな基準では、「(1)労働基準監督署長による企業の経営幹部に対する指導、(2)労働局長による企業の経営トップに対する指導および企業名の公表」という二階層の直接指導が予定されています。したがって、書類送検まで至らないケースであっても企業名が公表される可能性が高まったと見ることもできますので、注意が必要です。
 

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ

●改正された法人税率の適用

 2016年度に法人税率が改正され、2016年4月1日以後に開始する事業年度より、法人税率は23.9%から23.4%への改正が決定しています。
 これにより外形標準課税適用法人に係る実効税率(標準税率ベース)は32.11%から29.97%となり20%台に引き下がります。2018年度には、法人税率はさらに23.2%に引き下げられる予定ですので、実効税率は29.74%となります。
 法人税率は、2015年度の改正で25.5%から23.9%に改正されたばかりです。2016年度改正当時の閣議決定では「成長志向の法人税改革」を掲げており、設備投資や賃上げなどによる「経済の好循環」が期待されています。

 

●マイナポータルとe-Taxの連携

 国税庁はマイナポータルの「もっとつながる」の機能を利用して、マイナポータルとe-Taxをつなげることができるようにしました。
 マイナポータルでは、子育てに関する行政手続きのワンストップ化や、公金決済サービスが可能となるなど、さまざまなサービスの提供を予定しています。マイナポータルとe-Taxの連携により、利用者識別番号と暗証番号を入力することなくメッセージボックスの情報確認や、納税証明書・源泉所得税・法定調書等に関する手続きが可能になります。
 
『月刊総務』2017年4月号P7より転載