月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい12月のトピックス

2020-11-27 11:34

2020. December

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●社外取締役の在り方に関する実務指針の概要

 2020年7月31日、経済産業省は「社外取締役の在り方に関する実務指針」を公表しました。同指針において特筆すべきは、以下の「社外取締役の5つの心得」が示されたことです。
(心得1)社外取締役の最も重要な役割は、経営の監督である。その中核は、経営を担う経営陣(特に社長・CEO)に対する評価と、それに基づく指名・再任や報酬の決定を行うことであり、必要な場合には、社長・CEOの交代を主導することも含まれる。
(心得2)社外取締役は、社内のしがらみにとらわれない立場で、中長期的で幅広い多様な視点から、市場や産業構造の変化を踏まえた会社の将来を見据え、会社の持続的成長に向けた経営戦略を考えることを心掛けるべきである。
(心得3)社外取締役は、業務執行から独立した立場から、経営陣(特に社長・CEO)に対して遠慮せずに発言・行動することを心掛けるべきである。
(心得4)社外取締役は、社長・CEOを含む経営陣と、適度な緊張感・距離感を保ちつつ、コミュニケーションを図り、信頼関係を築くことを心掛けるべきである。
(心得5)会社と経営陣・支配株主等との利益相反を監督することは、社外取締役の重要な責務である。
 この心得を生かすために、社外取締役をサポートする体制の整備が求められています。

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●障がい者雇用率の引き上げ

 2021年3月から障がい者雇用率が引き上げられます。この改正により、民間企業の法定雇用率は2.3%になります。もともと2018年4月1日の改正により、民間企業では2.3%になっていました。しかし、改正施行日から3年を限度に経過措置として0.1%低い2.2%が適用されてきたのです。
 労働政策審議会では、経過措置を廃止し法定雇用率を引き上げる期日を2021年1月とする案を示していましたが、新型コロナウイルスの影響から、引き上げ時期の先送りが検討されていました。結果として、2020年10月に政令が交付され、障がい者雇用率は2021年3月1日から引き上げられる予定です。

●約8割の事業場で是正勧告

 2020年9月8日、厚生労働省は2019年度の「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」を公表しました。これによると、78.1%の事業場で労働基準関係法令違反があることがわかります。その中でもっとも多いものは「労働時間」(47.3%)であり、36協定に関する違反です。監督指導実施事業場数を見ると、企業規模別では「300人以上」が29.3%を占めもっとも多く、事業場規模別では「10-29人」が41.7%を占めもっとも多くなっています。中堅以上の企業および比較的小さな事業場で特に注意が必要でしょう。

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●所得金額調整控除

 2020年分の所得税から適用される所得金額調整控除は二種類あり、そのうち「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」は年末調整において適用を受けることができます。その年の給与収入が850万円を超える一定の給与所得者に適用される控除です。
 この控除は扶養控除と異なり、同一生計内のいずれか一方の所得者しか適用できないという制限がありません。たとえば、夫婦ともにその年の給与収入が850万円を超え、夫婦の間に23歳未満の子が一人いる場合には、夫婦双方がこの控除の適用を受けることができます。

●先端設備等導入計画認定に係る税制支援

 中小企業者等が市区町村から認定を受けた「先端設備等導入計画」に基づき一定の設備を新規取得した場合、取得設備の固定資産税の課税標準が3年間にわたり、ゼロから2分の1(市区町村が定めた割合)になる制度があります。
 中小企業者等は、(1)計画申請書、(2)設備メーカーから入手した工業会等証明書の写し、(3)認定経営革新等支援機関の事前確認書を添付して市区町村に申請する必要があります。
 (2)は中小企業経営強化税制と同じ証明書を使用することができます。ただし、経営力向上計画のような設備取得後に計画申請を認める特例はありませんので、申請期限には十分注意してください(計画認定後の設備取得が必須)。


『月刊総務』2020年12月号P7より転載