総務のトピックス

【労務トピックス】:

労働時間の基本

2017-03-15 11:00

 新年度を控え、4月から新たに人事労務を担当される方もいらっしゃることと思います。今回は、そうした初めて人事労務業務を担当される方にも分かりやすく、すぐに実務で活用いただけるよう、労働時間の原則、時間外・休日労働に関する協定、変形労働時間制やみなし労働時間制について解説いたします。

1.労働時間の原則

 労働基準法では労働時間について以下のように定められています。

(1) 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
(2) 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

 この1日8時間、1週40時間という労働基準法で定められた時間数を「法定労働時間」といいます。

 また、休憩時間については、1日の労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は45分、8時間を超える場合は1時間、労働時間の途中に与えなければなりません。


2.時間外・休日労働

 1.の定めがあるため、法定労働時間を超えて働かせることは禁止されています。ただし、時間外労働・休日労働に関する協定により、使用者は労働者に対して時間外・休日労働を適法に行わせることができます。この協定については、労働基準法第36条に定められているため、一般に「36(サブロク)協定」と呼ばれています。

 36協定は、まず時間外労働をさせる必要がある理由や延長させることができる時間数などを決め、過半数労働組合もしくは過半数労働者代表と協定を締結します。その後、労使が署名又は記名押印した協定を、事業所の管轄である労働基準監督署長へ届け出ることにより、36協定の効力が発生します。36協定は、企業単位ではなく事業所単位で提出しなければならない点に留意する必要があります。


3.変形労働時間制

 1.の労働時間の例外として、変形労働時間制があります。変形労働時間制を適用する期間(適用期間)を平均して1週間あたりの労働時間が法定労働時間以内であれば、1日8時間、1週40時間を超えて労働させても、その超えた時間は時間外労働として取り扱わないことができます。労働基準法には、適用期間の長さ等によって4種類の異なる変形労働時間制が定められています。

(1) 1か月単位の変形労働時間制
(2) フレックスタイム制
(3) 1年単位の変形労働時間制
(4) 1週間単位の非定型的変形労働時間制


4.みなし労働時間制

 労働者が事業場外で業務に従事する場合において、労働時間を算定し難いときは、みなし労働時間制の適用が認められています。例えば、1日の所定労働時間が8時間と決められている事業場において、午前中は事業場内で働き、午後、事業場外で業務に従事した場合、事業場外での労働時間を算定し難いときは、所定労働時間(8時間)労働したものとみなすことができます。

 ただし、スマートフォン等で随時使用者の指示を受けながら労働している場合や、事業場において具体的指示を受け、事業場外で指示どおりに業務に従事した後、事業場に戻る場合等は、「労働時間を算定し難い」とはみなされません。事業場外での業務を主とする営業職の方等であっても、みなし労働時間制を適用できるケースは限定されるため、注意が必要です。


 以上、労働時間について概要を解説いたしました。自社において、労働時間の原則が守られているか、正しく36協定が締結、届出されているか、どのような変形労働時間制が導入されているか、みなし労働時間制が適用されているか等確認してみましょう。これを機にさらなる労働環境の整備が期待されます。

連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
    ( http://www.akj-partners.com/