総務のトピックス

【労務トピックス】:

活用しやすい助成金「キャリアアップ助成金」について

2017-06-02 13:00

 近年、助成金の活用を行う企業が増えてきましたが、その中身については具体的に知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、数ある雇用関係の助成金の中から、活用しやすい助成金として「キャリアアップ助成金」について解説します。


キャリアアップ助成金

 有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者や短時間労働者の雇用の安定や企業内でのキャリア形成等を促進するため、正社員化・人材育成・処遇改善の取り組みを実施した事業主に助成されるものです。労働者のモチベーションや能力の向上を図り、優秀な人材を確保できるという点、助成の対象となる取り組みを広く設けている点で活用しやすく、生産性アップにも期待できます。

 平成29年4月1日からは「生産性」の視点が加わり、「生産性要件」を満たした場合、助成金が加算支給されます。また、助成金対象のコース内容が増え、下記の8コースとなりました。

(1)正社員化コース(有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換又は直接雇用した場合)

(2)人材育成コース(有期契約労働者等に一般職業訓練、有期実習型訓練のいずれかの訓練
を実施)

(3)賃金規定等改訂コース(全て又は一部の有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を、増額改定した場合)

(4)健康診断制度コース(有期契約労働者等を対象に「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、4人以上に実施した場合)

(5)賃金規定等共通化コース(有期契約労働者等と正社員との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合)

(6)諸手当制度共通化コース(有期契約労働者等と正社員との共通の諸手当制度を新たに規定・適用した場合)

(7)選択的適用拡大導入時処遇改善コース(選択的適用拡大の導入に伴い、社会保険適用となる有期契約労働者等の賃金の引上げを実施した場合)

(8)短時間労働者労働時間延長コース(有期契約労働者等の週所定労働時間を5時間以上延長し、社会保険を適用した場合)

 助成内容と助成額の詳細については厚生労働省ホームページ「キャリアアップ助成金リーフレット」とご参照ください;
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000161151.pdf

「生産性」の要件

 助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」がその3年前に比べて6%以上伸びていることとなっています。また、「生産性」は次の式によって計算します。

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支給対象となる事業主の要件

・雇用保険適用事業所の事業主であること
・キャリアアップ管理者を置いていること
・キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の確認を受けること
・各コースの対象労働者に対する賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備していること
・キャリアアップ計画期間内にキャリアップに取り組むこと

 ※「事業主」には、民間事業者の他、公益法人、NPO法人、医療法人、社会福祉法人なども含まれます。上記要件に加え、さらにコースに応じた一定の要件が求められます。


受給までの流れ

(1)キャリアアップ計画書の作成・提出
(2)訓練計画届の作成・提出(人材育成コースのみ)
(3)取り組みもしくは訓練の実施
(4)支給申請


 全コースすべてに共通するポイントは、まず、「キャリアアップ計画書」を作成・提出することです。この計画書を提出していない場合は各コースの取り組みを実施しても助成金の対象となりません。また、支給申請にあたっては期限が2か月(各コースに応じた起算日より2か月)と定められています。期限内に申請しない場合にも助成金は支給されませんので、申請期限には留意が必要です。

 厚生労働省のホームページでも詳しい助成金情報がありますので、ぜひご活用ください。

 助成金の内容によっては就業規則の改訂が必要となる場合もありますので、社会保険労務士などの専門家へのご相談もお勧めします。

連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
    ( http://www.akj-partners.com/