災害時に必要な体力を5段階で可視化 「減災体力測定プログラム」、全国での展開が始まる

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2025年09月01日

ウィンゲート(東京都板橋区)は、災害時の避難に必要な体力をスポーツ科学の知見に基づいて測定・評価する「減災体力測定プログラム」の全国展開を本格的に開始する。

東日本大震災で78階分の階段昇降を体験した同社の開発責任者が、フィジカルリテラシーの概念を基に開発した科学的アプローチによるプログラムだ。企業のBCP(事業継続計画)強化と健康経営推進、自治体の防災計画支援を同時に実現する仕組みとして注目されている。

5段階認定で「地域防災リーダー候補」から「優先避難対象者」までを可視化

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同プログラムの特徴は、従来の体力測定が「できる/できない」の確認にとどまるのに対し、5段階認定制度によって「地域防災リーダー候補」から「優先避難対象者」までを科学的に可視化する点にある。

測定で終わらせず、運動指導・指導者育成の知見を基盤に個別の改善プログラムと継続支援で「逃げ切る力」の底上げまで伴走する仕組みを構築。災害発生後の生死を分ける初動において、自力避難の目安となる体力レベル(B級:階段20階昇降+徒歩5km)を客観的に可視化する。

災害現場を想定した5つの測定項目

測定項目については、災害現場での行動を徹底分析し必要不可欠な身体能力を5つに集約した。たとえば「椅子立ち上がり」では家具の下からの脱出や階段昇降に必要な脚力・瞬発力を、「片足立ち」では停電時の暗闇や瓦礫がれきの上での体勢維持に必要なバランス能力を評価する。

測定項目 想定される災害シナリオ 評価する能力
椅子立ち上がり 家具の下からの脱出、階段昇降 脚力・瞬発力
片足立ち 停電時の暗闇、瓦礫上での体勢維持 バランス能力
物資搬送 5~10kgの非常用物資を避難所へ運搬 筋持久力・運搬能力
四方向ステップ 障害物回避、素早い方向転換 敏捷びんしょう性・認知判断力
低姿勢移動 煙充満空間での低姿勢避難継続 全身持久力・協調性

避難能力をS級からD級までの5段階で客観評価

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