部下を成長させられる管理職とそうでない管理職、フィードバックにどんな違いがある?

月刊総務 編集部
最終更新日:
2023年10月17日

ラーニングエージェンシー(東京都千代田区)は10月17日、「部下に対するフィードバック」について、管理職を対象に実施した意識調査の結果を公表した。

フィードバックの頻度・場所・手法・内容と「部下の成長度合い」を調査

調査では、フィードバックの違いで管理職が感じる「部下の成長度合い」に差があるのかを明らかにするため、フィードバックの頻度・場所・手法・内容と、管理職が感じる「部下の成長度合い」の関係を調査した。

フィードバック内容について、ポジティブなフィードバックとネガティブのフィードバックの比率を管理職に質問したところ、部下が「非常に成長している」と感じている管理職は、55.6%が「ポジティブが多く、ネガティブが少ない」と回答した。

※画像クリックで拡大

「ポジティブが多く、ネガティブが少ない」との回答は、部下の成長を実感しているほど比率が高く、「成長していない」と感じている管理職は28.6%にとどまった。

一方で「ポジティブが少なく、ネガティブが多い」と回答した比率は、部下の成長を実感していない管理職ほど比率が高い傾向となり、「非常に成長している」と「成長していない」の差は23ポイントも広がる結果となった。

さらに、部下の成長の度合いを「わからない」と回答した管理職は、フィードバックのポジティブ・ネガティブの比率も「特に決めていない」と回答する割合が44.8%と最も高くなる傾向がみられた。

部下の成長を感じる管理職は口頭だけでなく「チャット、メール」も活用

フィードバックの伝達方法は、部下が「非常に成長している」と感じている管理職は、94.4%が「対面で、口頭伝達している」と回答、部下への成長を感じることができている管理職ほど、比率が高かった。

また、「非常に成長している」と感じている管理職の61.1%が、「チャットやメールなどで文書伝達している」と回答し、その比率は「成長していない」と感じている管理職よりも46.8ポイント高くなった。

管理職がフィードバックの際に「心掛けて伝えていること」については、部下が「成長している」と感じている管理職は、「事実や結果に基づく具体的な内容」の比率が最も高く、次いで「フィードバックの意図や理由」(66.7%)、「目的・目標や求める人材像」(55.6%)、さらに「日頃の感謝や努力への労い」(50.0%)」と続いた。

※画像クリックで拡大

部下が成長していないと感じる管理職「ネガティブフィードバックを伝える場所が気になる」傾向強く

フィードバックの場所については、部下が成長していないと感じる管理職ほど、「ネガティブフィードバックの環境」を気にする傾向にあった。

部下が「成長していない」と感じている管理職は、「非常に成長している」と感じている管理職より、「ネガティブフィードバックの際に場所を選ぶようにしている」と感じている比率が15.1ポイント高かった。

「フィードバックの頻度」と「部下の成長度合い」の関係では、部下が「非常に成長している」と回答した管理職の44.4%が「即時にフィードバックをしている」ことがわかった。

※画像クリックで拡大

即時フィードバックを実施している比率は、「成長してない」と感じるにつれて低くなり、部下が「成長していない」と感じている管理職は14.3%で、「非常に成長している」と感じている管理職よりも30.1ポイント低かった。

同社は「フィードバックは、時間が空いてしまうと状況が変わり、部下の記憶もあいまいになるため、対面にこだわらずタイムリーに伝達することが、部下の成長行動につながりやすい一つのポイントといえる」とコメントしている。


発表の詳細はこちらで確認できる。

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール


月刊総務 編集部

パンデミック、働き方の変化、情報技術への対応など、今、総務部門には戦略的な視点が求められています。「月刊総務オンライン」は、そんな総務部門の方々に向けて、実務情報や組織運営に役立つ情報の提供を中心にさまざまなサービスを展開するプラットフォームです。


特別企画、サービス