人材育成:越境学習

最終更新日:2025年05月30日

越境学習とは、個人が所属組織の枠を一時的に離れ、異なる組織や地域コミュニティなどの新たな環境(越境先)に身を置いて業務やプロジェクトに参加することにより、実践を通じて知識・スキル・視点を獲得する学習形態である。

この学習形態は、従来の座学や集合研修とは異なり、実務に直接関与し、他者と協働する中での気づきや経験を重視する点に特徴がある。例えば、企業間の人材交流、自治体職員の企業派遣、大企業からスタートアップへの出向など、多様な形態が含まれる。

越境学習は、単に異なる環境に身を置くことにとどまらず、「越境先」と「所属組織」との間を行き来する往還的なプロセスを含む点に特徴がある。このプロセスにより、学習者は外部環境で得た知見を所属組織に持ち帰り、組織内での業務改善や文化変革に活用することが期待される。

経済産業省による定義と支援

経済産業省は2025年、「越境学習を支える伴走者のための実践ガイドライン」を公表し、越境学習の意義と導入・運用における留意点を体系化した。同ガイドラインでは、越境学習を「越境前」「越境中」「越境後」の3段階に分け、それぞれの段階で直面しやすい課題と、それに対応する支援のあり方が示されている。

特に、「越境者を支える存在(=伴走者)」の役割が重視されており、学習効果を最大化するために求められるスキル、心構え、組織内の支援体制などが具体的に記載されている。


参考:経済産業省「越境学習を支える伴走者のための実践ガイドライン」

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